V.A. “Jugend Forscht”

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これは、以前、ご紹介したバンドMC²が入っていたコンピなので、ついでに購入した作品なのですが、MC²以外のバンドは全く知りませんでした。また、後から気が付いたのですが、最近、リリースされたDer Moderne Manのセルフ・コンピと同じタイトルなのですね。それでは、各バンドと各曲を簡単に紹介していきましょう。
 先ず、MC²ですが、アルバム収録曲と同じ曲が2曲収録されています。詳しくは、前回紹介の項目をご参照下さい。メンバーは、Michael J. Clohc (Vo, Synth), Günter Skimann (G, Back-Vo, Effects), Günter Huppert (Synth, Effects), Alfred Erhart (B, Back-Vo), Mario Bulas (Drs, Perc)の5人組です。収録されている曲A1とA2はアルバム収録曲で、ライブ音源です。A1がアルバムとほぼ同様のアレンジなのですが、A2では、映画007のメロディも敢えて使ったりして、アレンジをかなり変えており、そこがまた良いです。
 続いて、Vitaminですが、全くの謎です。女性Voがいることと、仏語圏のバンドの可能性があること位しか分かりませんでした(すまん!知っている人がいたら、教えてください!)。ただ、曲はライブ音源で、ミックスをE. Neubautenでも有名なJohn Caffreyがやっています。突っかかるようなアップテンポのリズムに、ややハスキーな女性VoとSaxと言うB級仏版Essential LogicのようなA3と、リズム構築が面白く、Saxと仏語Voが特徴的なA4もライブ音源で、ドラマチックな曲です。
 次に、Bildstörung (ビルトシュトゥルンク)ですが、1981年に1枚アルバムをGeeBeeDeeから出しています。メンバーは、Frieder Hüttig (Vo), Musti Ungör (G), Werner Seidel (B), Peter Prochir (Drs)
Hans-Günther Vitzthum (G)の4人組で、2006年に初期のライブ音源をLP”Frankfurt Babylon 1980”として、Rotten Totten Recordsから出していますので、それなりにフランクフルトでは人気があったのではないでしょうか? 割と軽めのリズムにポストパンク風のシンプルな演奏から成るA5と細かく刻むGと独特ののBラインが興味深いA6もライブ音源です。歪み無しのGが心地良いです。
 続いて、Strassenjungs (シュトラッセンユンクズ)は、実は最も良く知られたバンドで、元々は、Axel KlopproggeとEckehard Ziedrichが、英国のSex Pistols等のパンクの流行りに乗ろうとして、でっちあげたのが最初で、その為に、バート・カムベルクのバンドTiger B. SmithのリーダーであるHolger Schmidt (Vo,G)とKarl Heinz Traut (Drs, Perc)、更にNils Selzer (B; 元The Cheats, 元Orgon)とAlexander B. Rodmann (G, Vo; 元Lady, 元Octopus)を集めて、偽名を名乗らせて、録音したのが、ファースト・アルバム”Dauerlutscher”で、これにCBSに飛びつきますが、商業的成功には至らず、一旦解散しています。その後、Nils Selzerがバンド名の権利を持っていたので、新たに、Harry Heinen (Vo, G), Volker “Pickup“ Picard (B, Vo), Martin Herbolzheimer (Drs)を集め、自分はGにチェンジして、1978年に、自主制作でアルバム”Wir ham ne Party”をリリース、結構、ライブバンドとして人気があったようです。Nils Selzerは、自主レーベルTritt Recordsの運営も始め、それが縁でEmbryoやTon Steine Scherbenとも関わりを持ちます。Nils Selzerのバンドの方は、1981年に次のスタジオ・アルバム”Los!”をリリースしますが、ファースト・アルバムについて、連邦審査委員会(映倫のような組織?)は、1982年秋〜2007年8月まで、有害アルバムとして認定していました。1983年には、ライブ・アルバム”Immer Weiter Geh'n...”もリリースしています。また、SelzerとHeinenはそれぞれソロアルバムも制作しています。また、Selzerは、当時の恋人が参加していたフランクフルトのバンドStrapazeのアルバムを自身のレーベルから出しています。1984年に、バンドは、新録アルバム”Bleiben Oder Geh'n”をRockport Recordsから出しますが、Heinenに代わって、Matthias Baumgardt (G)が参加しています。ポップだったのですが、成功とは言えず、1986年に、次のアルバム”6”をTritt Recordsから出しています。その後、1990年に、Selzerは健康上の理由から表舞台から身を引き、Michael Liebert (G), Torsten Dechert (Drs), Volker “Pickup“ Picard (B)でアルバム”Duell”を1991年にリリースしており、その後もメンバーチェンジを経て、今も現役です。それで、本アルバムのB面に移りますが、ドカドカしたDrsと変なカッティングのGが独特なB1で始まり、と思ったら、ストレートなロッケンローなB2, そうしてコーラスワークも素晴らしいポップパンクなB3となり、いずれもライブ音源です。
 お次は、当時のNils Selzerの恋人も在籍していたStrapaze (シュトラパッツェ)で、彼女達は1枚アルバム”Wild + Weiblich”を出しています。その時の参加メンバーは、Manuela Pohl (G, Vo), Aika Wolf (G, Perc, Vo, Kbd), Petra Ilyes (B), Sandra Kercher (B [A1, A2, A4, B1]), Lotti Marsau (Drs)となっています。割と力強いビートを叩き出しいる演奏をパックに女性Voが歌いまくるB4ではGソロっぱい間奏も聴取されます。細かいBラインにバタバタしたDrsと打楽器的GがポストパンクなB5から成り、両曲共ライブ音源です。
 最後は、Flex-Y-Bellですが、1980年代初頭に活動していた、フランクフルト/マインのバンド(?)で、1枚のアルバムと1枚のシングル及び1本のカセットを出しています。どうも、先述のStrassenjungsのアルバムにも参加したことのあるMatthias Baumgardtのソロユニットのようで、作詞にはScotty Roosenらが携わっていたようです。1982年リリースのセルフ・タイトルのアルバムには、Matthias Baumgardt (G)の他、Tina Knaus (Vo), Angelika Fleer (Synth), Philip Lynch (B), Josy Green (Drs)が参加していますが、作曲等には多くの人が携わっています。割と大胆なGをフィーチャーしながも、女性Voが繊細に歌うB6と少しレゲエ調のリズムに力強い女性Voが乗り、サビでは弾けるB7で、本アルバムを締めています。
 全曲、ライブ録音だったので、多分、何かのフェスとかのライブ音源のコンピレーションではないかと思うのですが、割とどのバンドもポストパンクっぽくて聴き応えがありました!細かいことよりも、この時代の雰囲気を味わうのにはもってこいのライブ・コンピレーション・アルバムだと思いますので、是非とも、皆さんに聴いて欲しいですね!

A1 MC² “Stadt Aus Stahl”
A2 MC² “007”
A3 Vitamin “Où Es Tu”
A4 Vitamin “Le Petit Bourgeois”
A5 Bildstörung “Choo Choo Mann”
A6 Bildstörung “Cadillac”
B1 Strassenjungs “Konfusion”
B2 Strassenjungs “Bundeswehr”
B3 Strassenjungs “Autokino”
B4 Strapaze “Tranquilizer”
B5 Strapaze “Schwer”
B6 Flex-Y-Bell “Immer Mehr”
B7 Flex-Y-Bell “Prima-Prima”

A1 MC² “Stadt Aus Stahl”
https://youtu.be/P7ooU21rZJk?si=kUBA4QdNPwCHom8s

A3 Vitamin “Où Es Tu”
https://youtu.be/Cd6NVZrPTsA?si=_cT48l55uLOMRERD

A4 Vitamin “Le Petit Bourgeois”
https://youtu.be/u-aGzdhaxPI?si=JZw-9D3hryHPs7Kw

A5 Bildstörung “Choo Choo Mann”
https://youtu.be/WAiNHlqF5Aw?si=xXQ27IElkblqGGcv

B1 Strassenjungs “Konfusion”
https://youtu.be/y6-32T8JJJA?si=0niT7pIWKcZJGkzN

B2 Strassenjungs “Bundeswehr”
https://youtu.be/QTee5QxuHo8?si=Jpta9V90BDcnWngr

B3 Strassenjungs “Autokino”
https://youtu.be/z_vEkbT3UjQ?si=vgBO6boxQmpiY6HD

参考までにStrapaze アルバム“Wild + Weiblich”
https://youtu.be/W0wKVl2o5W0?si=lxD7y6WYVpNERXnV

参考までにFlex-Y-Bell “TV Song”
https://youtu.be/mDqGfiNSB0w?si=pa7Vfx7qnZy2KNFW

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