Die Regierung “Supermüll”

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これまた、D.I.Y.色の濃いバンドDie Regierung (ディー・レギールンク;「政府」の意)のアルバム“Supermüll (ズーペルミュール;「超無駄」の意)”をご紹介しますが、私は、このバンドのことを全然知りませんでした。しかしながら、Die Regierungは、ハンブルクの音楽シーンで活動していたバンドで、 1982年から1995年まで数年間の休止期間を経て、2006年に新メンバーで再結成されているそうで、それなりに有名みたいです。それで、ちょっと、Die Regierungについて調べてみました。NDWに刺激を受けて、当初は独西部の都市Essenのシンガー・ソングライターであるTilman Roßmy(ティルマン・ロスミー)によるソロ・プロジェクトとして活動を始め、1982年にカセット作品”Nie Wieder Euphorie ???????” と”Bleib Blind!”を、1983年にカセット・アルバム”Die Einsamen”を出しています(多分、1983年のカセット・アルバムはバンド形態になってからのものと推測されます)。その後、 Bochum市の雑誌Marabo(マラボ)のArthur Schilm (アーサー・シルム)を介して、多くのミュージシャンが集まり、本作品でもあるファースト・アルバム”Supermüll”が1984年にリリースされます。このレコード制作資金の調達と配給を、Tilman Roßmy自身が行っていましだが、リリース後1985年に、Die Regierungは活動を休止してしまいます。 1990年になると、音楽誌Spexの音楽ジャーナリストMichael Ruff が、「アルバム ”Supermüll“は、1980年代最高の独レコード」と評したことを受けて、Tilman Roßmyは、Die Regietungを再結成しています。 それで、セカンド・アルバム“So Allein“は、ZickZackのレーベルのAlfred Hilsbergがプロデュースして制作されましたが、商業的には余り成功しませんでした。しかしながら、次の2枚のアルバム”So Drauf”と”Unten”は、そこそこ成功し、 Die Regierung はハンブルクの音楽シーンとの関連は薄くなったものの、1990年代の独オルタナティブ音楽ブームの時期に短期間だけ活動しています。1994年にオリジナル・バンドが解散した後、Tilman Roßmyは、Herman Herrmann とのデュオとして短期間活動し、1995年に Die Regierungはまた解散しています。Tilman Rossmyは、1995年からTilman Roßmy Quartetでソロ活動を開始し、2002年にバンドは、Die Regierungの古い曲を収録したアルバム”Reisen im eigenen Land”を作成しています。そうして、2006年5月には、Tilman Roßmyを除くメンバーで、新たにDie Regierungが結成されています。その後、2015年の初めに、Tilman RoßmyとRobert LipinskiとThomas Geier (Drs)でEssenにて、Die Regierungの再結成コンサートを開催すると発表し、最初の新録アルバム”Raus”は、2017 年にStaatsaktからリリースされ、その後も約2年間隔でアルバムがリリースされ、最新作は2023年リリースの”Nur”です。
 それで、本作品ですが、メンバーは、Tilman Roßmy (Vo, G), Robert Lipinski (G), Ralf Jahn (B), Keith "Star Wars" Kozcian (Drs)で、ゲストに、Peitschen Susa (Sexy Vo[A1])とArthur Schilm (Voice[A6])も参加しています。因みに、Play Loud! Productionsが、2015年に、本作品とそのトリビュート・アルバムを合わせた2枚組アルバムDie Regierung/V.A. “Supermüll + Tribute Album”をリイシュー/リリースしています。全体的には、それまでのカセット作品で聴かれたような宅録エレ・ポップ的な感じではなく、結構、激しいロックバンド・サウンドになっています。
 先ずは、タイトなリズムにヘロヘロのVoと言う、ある種、Richard Hellを想起させるようなA1で始まり、パンキッシュで、カッコ良く駆け抜ける独語歌詞のA2, これまたタイトなリズムに、不協和音も使った独特のGのリフと力強いVoとコーラスワークが乗るA3, ちょっとくぐもっていますが、アップテンポのリズムに、掻き鳴らすGと堂々たるVoが乗るA4, これまたタイトなリズムに、一味違うGのリフと捨て鉢気味なVoのA5, 疾走感満点のタイトなタイトル曲で、Gのメロディには哀愁が、Voには怒りが感じられるA6で、A面を締めています。
 一方、B面は、ノリは良いですが、何処となく怒りを感じるVoのB1で始まり、キックの連打と後のシューゲイザーを感じさせる哀愁のGに、捨て鉢気味のVoがイカしているB2, 縦ノリのリズムと分厚いGがちょっと異色なB3, 電線に高圧電流を通したようなGで始まり、リズムマシン(?)のようなリズムに、分厚いGと吐き捨てるようなVoが最高にイカしているB4で、本アルバムを締めています。B4がフェイドアウトなのは、ちょっと残念ですね。
 正直、このアルバムが、自主制作で作られたとは思えない程の完成度とカッコ良さを誇っています。音質自体も良いですし、結構、お金掛かったんじゃないかなぁと想像します。それと、ノリは良いのですが、パンクとはまた違ったノリの良さで、先述のように、1990年代のオルタナを予感させるような音楽であることも特筆すべきです。故に、そこら辺にも、Tilman Roßmyの先見性を感じますね!! 正に「イカしたロック」なので、、正直、NDWに入れるかどうかは悩みますが、一番最初のカセット2作が、実験的なエレ・ポップなのを考えると、やはりNDWからの派生として捉えた方が良いのではと思います。なので、カッコ良いロックを聴きたいのであれば、是非とも、このDie Regierungのファースト・アルバムをお勧めします(先述のようにリイシューされていますので、そちらの方が入手し易いと思います)!! 痺れますよー!

A1 “Neue Szene” (2:20)
A2 “Du Oder Niemand” (2:12)
A3 “Müllmann” (1:58)
A4 “Immer Jemand Im Busch” (2:10)
A5 “Ich Halt Es Nicht Aus” (2:18)
A6 “Supermüll” (2:04)
B1 “Schule Ist Aus” (2:09)
B2 “Häng Hier Nicht Rum” (3:48)
B3 “Halt's Maul” (1:46)
B4 “Elektrische Welt” (3:26)

[以下のURLは、2015年にPlay Loud! Productionsがリリースした2枚組アルバムDie Regierung / V.A. “Supermüll + Tribute Album”からの引用です]
A1 “Neue Szene” (2:20)
https://youtu.be/YpabFwArMjc?si=tGSHgEQwy-Oz6yNz

A2 “Du Oder Niemand” (2:12)
https://youtu.be/qyuugQWwJ0U?si=RNn9UTdrXEvVA_GH

A3 “Müllmann” (1:58)
https://youtu.be/LFxPZ0MVECA?si=nWernpBSDlA2cL_O

A4 “Immer Jemand Im Busch” (2:10)
https://youtu.be/IX8n1BGqUe4?si=lkIrXUwN21wn3SnV

A5 “Ich Halt Es Nicht Aus” (2:18)
https://youtu.be/hFuZdB7Xbpo?si=jetdIEzau5fw2r37

A6 “Supermüll” (2:04)
https://youtu.be/vW4y0FZb-4o?si=HpQnyAAHQxKyfZL0

B1 “Schule Ist Aus” (2:09)
https://youtu.be/_R_Rt-akQ0Y?si=z8IccGRyRVL44oDn

B2 “Häng Hier Nicht Rum” (3:48)
https://youtu.be/gaTaSI8UkO0?si=97FtF2byHmZAsop2

B3 “Halt's Maul” (1:46)
https://youtu.be/5SDI4yl2lv0?si=ysZj9vE-Jmx1wHBF

B4 “Elektrische Welt” (3:26)
https://youtu.be/vL2S-2RzMLE?si=8rxEerVMM1eWxAH9

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