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近鉄モ2258
■モデルについて 大阪線特急車2250系の3次車のモデルです。昭和50年代中頃の製品と思われますが、オレンジ+ダークブルーの新特急色に塗装されており特注されたモデルのようです。この2250系は屋根の巻までの丈が高く、続く屋根のRが小さく浅いため角張った印象が強いため、実車の雰囲気を捉えることが難しいのですが、このモデルでは砲弾型ヘッドライトを屋根板に埋め込むことで量産品の印象を改善しようとしています。連結面の屋根にある冷房ダクトが省略されていたため自作パーツを取り付けました。台車はKD-26を履いています。 ■実車について 昭和30年に増備された3次車の電動車です。片運になり大阪方にパンタグラフが搭載されました。フロント窓はHゴム支持ですが2次車とゴムの色が異なります。台車はシュリーレンKD-15になりました。昭和32年から冷房化され、電動車の運転台のない側の屋根には付随車の冷房装置と冷風道で結ぶ冷房ダクトが取り付けられました。また、翌年に登場した国鉄151系こだま号より先にシートラジオ、電話を取り付けています。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル塩浜検車区
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近鉄ク3122
■モデルについて 大阪線に投入された戦後初の特急専用車で冷房化されたモデルです。昭和50年代中頃の製品だと思いますが、冷房装置やラジオアンテナをつけていますので特注されたモデルかもしれません。塗色も新特急色に塗り替えたオレンジ+ダークブルーになっています。屋上の冷房装置はバルサ材で整形されているようです。また、フロント右窓下にはラジオアンテナも付いており、非冷房の量産品に比べると実車の雰囲気をよく捉えています。 ■実車について 2250系は昭和28年に大阪線に投入された特急車で3次にわたって製造されました。昭和34年に名阪直通運転が実現し高性能車エースカーが登場すると、中川・宇治山田間の短編成の連絡特急用にサ3020に運転台を設けたク3120が誕生しました。すでにサ3020には冷房装置を搭載していたため、運転台側には前照灯を内蔵した特異なエバポレーターになりました。エースカーによる置き換えが完了する昭和38年まで特急使命を果たしました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル塩浜検車区
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近鉄ク1551
■モデルについて 2000系のトレーラーです。モ2010と同じく昭和40年代後半の製品だと思います。レアな完成品なのですが、あまりにもマイナーな形式で売れなかったのではないかと思います。近鉄特有のカマボコ型ベンチレターは日光モデルが発売していたダイキャストパーツが実車通り14ヶも取り付けられています。晩年実車は片運化されましたが、モデルでは両運転台車になっています。 ■実車について 電動車モ2000が製造された翌年の昭和24年に5両製造されています。デビュー当時は電動車に制御車を挟んだいわゆるMTMの3両編成で運転されていたようです。資材不足だったにもかかわらず、電動車ともに連結・解放の自由度が高い両運転台車になっています。近鉄ではク3110、ク1500などの制御車も両運転台車で、異なる形式の制御車を混結した編成も多くみられました。ク1550も電動車と同じ運命を辿って昭和48年に廃車されました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1974年頃塩浜検車区
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近鉄モ2010
■モデルについて 大阪線で活躍した通勤区間車のモデルです。昭和49年頃の製品だと思います。ロコモデルでは同じ型紙で形式を作り分けていましたが、このモデルはおそらく窓配置が同じ3扉車モ1400の型紙を流用したようです。明るいマルーンですが隠蔽力が弱いためマルーンの噴付量が不足して下地が透けている箇所があります。パンタグラフは大型のものに換装しています。モデルは両運転台車ですが実車は昭和38~41年頃に片運化されています。 ■実車について 近鉄が戦後初めて大阪線に投入した運輸省規格形の新車です。昭和23年製で物資もまだまだ不足していた頃で出来もそれなりでしたが、それでもトレーラーのク1550と編成して大阪近郊通勤輸送に活躍しました。また技術面でも新制御器を備え高加速性能が向上しました。晩年は多くの車輌が両開扉に改造されています。高性能冷房車が投入されると戦後生まれでありながら区間車のため転籍先もなく昭和48年に廃車され短命に終わりました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1974年頃塩浜検車区
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花巻電鉄デハ1+デハ3
■モデルについて 昭和52年にしなのマイクロから「ぷろじぇくと80」ブランドで発売された馬面電車の1/80モデルで、塗りキットを完成させたデハ1と組み立てキットを完成させたデハ3です。塗りキットはすでに塗装済みで駆動装置、台車、ポールなどの取り付けや電気配線工作で完成させることができるため手軽に工作を楽しむことができます。一方組み立てキットは、ポールの組み立てから塗装まですべての工作を楽しむことができます。この塗りキットは発売から30余年たってから地元の模型店で見つけた掘り出し物でしたが、正規商品なので販売価格の値段で購入しました。塗色は旧色ですがクリームは艶あり、ぶどう色は艶無しで渋い塗り分けです。メーカー説明書にある客扉の水切りの取り付けが忘れられています。後に奄美屋からリメイクされ、また近年はワールド工芸から出来の良い1/87モデルが発売されました。 ■実車について デハ1とデハ3は火災で焼失したため昭和6年に新造した2代目で、昭和元年に増備されたデハ4と同じスタイルで復旧した半鋼製車輌です。木造車だったデハ4は同じ火災で被災したため、併せて半鋼体化されました。なお、デハ2は付随車を電動化した別スタイルの車輌でした。
鉄道模型 16番ナローゲージ しなのマイクロ 16、000円塩浜検車区
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近鉄ク6521
■モデルについて モ6411のトレーラーです。こちらも昭和40年代後半のモデルだと思います。モ6411とは別に入手した中古品ですが、色調や作りは全く同じだったので同時に製作されたものと思います。近鉄特有のカマボコ型ベンチレターも実車に近い配置になっていることが判ります。張り上げ車の中でも屋根の深い実車のイメージをよく捉えたモデルです。 ■実車について モ6411と同じく昭和25年製ですが、電動車4輛に対して付随車は2輛しか製造されていません。通勤用車輌のロングシートでありながら当時の特急色でしたが、ダークグリーンを経てマルーンに塗り替えられました。名古屋線改軌工事では名古屋線車輌の台車を履き替える作業を伴うため、狭軌の南大阪線でも大型の6411系を応援に出しています。常に電動車の相棒を務めていましたが、6600系に混結されることもありました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1974年頃塩浜検車区
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近鉄モ6411
■モデルについて 南大阪線6600系の後継車で戦後生まれの大型車両のモデルです。昭和40年代後半の製品だと思います。マイナーな車輌で人気もなかったのによく製作したと思います。大きめの小高模型DT-11を履き、深い屋根や南大阪線伝統の貫通扉窓の桟など実車の雰囲気をよくとらえているのですが、パンタグラフが小ぶりのカツミ製PS-16をつけていたため、大型のものに換装してバランスをよくしてみました。厚塗りのため経年劣化で塗面にひび割れが生じています。 ■実車について 南大阪線では近鉄となって初の新車で昭和25年製で電動車は4輛製造されました。デビュー当初はモ6801を名乗っていましたがこの車番は後年登場するラビットカーに譲ってモ6411になっています。車長は実に20.9mもあり、デビュー時は当時の近鉄特急色だったクリーム+ブルーのカラーリングでした。一時期改軌工事期間の名古屋線に転籍しています。工事完了後は古巣に戻り道明寺線などで活躍しましたが、荷物電車、電動貨車を経て昭和58年に廃車になりました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1974年頃塩浜検車区
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近鉄モ2253+モ2255
■モデルについて 大坂線特急2250系の格下げ後のモデルです。昭和51年頃の製品だと思います。3扉化されたモデルですが、初期製品によくあったチョコレート色に近いマルーンつや消しに埋め込みの大きなダイヤレンズをつけています。屋根も深く、角張った実車のイメージとはかけ離れた鈍重なスタイルに仕上がってしまっています。2255は2次車で実車の正面窓はHゴム支持になっているので製造エラーになってしまっています。名古屋栄にあった百貨店には地元模型店が入店していて、ロコモデル製の名鉄の完成車体に混じってこのモデルも陳列されていましたが、近鉄とはおよそ思えないスタイルで人気はなく売れ残っていたのを覚えています。 ■実車について 2250系もビスタカー10100系に続く高性能特急車が投入されると次々に一般車に格下げされ、昭和38年で特急の使命を終え3扉化されましたが、その後も長く急行運用に用いられ、活躍の場が名古屋線に移っても最大6輛で運用されました。まだ急行ではたばこが吸えた時代、名古屋からの帰路で2250系急行に乗車したときに、クロスシートに座ることができ古い車両ながら特急車さながらの快走ぶりで優等車の品格を感じたものです。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1976年頃塩浜検車区
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近鉄モ201+モ203(後のモ251+モ253)
■モデルについて 旧大軌デボ201形のモデルです。真鍮製のメーカーズプレートが付いているので昭和40年代前半の製品だと思います。ダブルルーフや腰板の木目もよく表現されており、カウキャッチャーやターンバックルを付けた床下も丁寧に作られています。203に駆動装置が付いていますが、小高模型の京阪16号用台車と22.5㎜インサイドギアの組み合わせになっています。木造車時代の実車はダークグリーンで近鉄マルーン塗色は実在しなかったと思います。 ■実車について 大正14年に製造された大阪電軌デボ1形の増備車デボ201形です。デボ1形に比べ近代化されたスタイルになり正面3枚窓で乗務員扉がつき、またパンタグラフ、自連を装備していました。昭和17年にモ201形になり、さらに昭和25年にモ251形に改番されました。昭和32年に鋼体化されモ460形となりましたが昭和44年の奈良線昇圧時に廃車となりました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1970年頃塩浜検車区
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近鉄モ5801
■モデルについて 養老線で活躍した旧大阪鉄道車輌で鋼体化された晩年の姿のモデルです。このモデルも昭和61年にロコモデル私鉄館で開催された「近鉄フェア」の商品と思われます。深い近鉄マルーン色で各所に色差しがしてありロコモデルらしさがでているモデルです。実車はMMユニット化されていますので、ペアになる偶数車がないのが残念です。張り上げスタイルのモ5805~5810はメディアリンクスからブラスモデルキットが発売されています。 ■実車について 旧大阪鉄道が天王寺-河内長野間を日本初の1500Vで運転開始した大正12年に投入されたデイ1形です。昭和30年に鋼体化され、さらに5801~5804は昭和44年に正面が貫通化されています。昭和45年に養老線に転出し同線の一次体質改善に寄与しました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1986年塩浜検車区
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近鉄モニ5922
■モデルについて 近鉄志摩線で活躍した旧志摩電鉄10形の最晩年のモデルです。昭和53年頃の製品だと思います。キットも発売されていました。ロコモデルオリジナルのホワイトメタルパーツが取り付けられてとても雰囲気よく仕上がっています。実車は2位側の乗務員扉が運転席側のみでしたが、モデルでは両側に乗務員扉が付いており製造エラーになっています。平成16年にモデル8からブラスモデルが発売されています。 ■実車について 旧志摩電鉄開業にあわせて昭和4年に6輛製造された荷物合造車です。戦後三重交通となってクリーム+グリーン色になりました。運転室後方には楕円窓がありました。2輛は車体を新造して5210形に生まれ変わっています。昭和40年に近鉄となってからはマルーンに塗り替えられましたが、鳥羽線開通までのわずか5年の稼働で廃車となりました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1978年頃塩浜検車区
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近鉄モ240
■モデルについて 乗工社近鉄ナローシリーズの最後の製品となったモデルで、キットを組み立てたものです。このモデルはキットのみで完成品は発売されませんでした。製品の構成はモニ210と同一で側板を変更してモ240に仕立てています。箱のラベルも印刷ではなく形式がゴム印で押したようになっています。実車も1輛でマイナーな車輌だったのによく製品化したと思います。後年アートプロが製品化しています。 ■実車について モニ210と同じく昭和3年製です。当初はモニ210の付随車でしたが昭和26年に電動化されています。同形車は1輛のみでしたのでなかなか乗車の機会に巡り会いませんでした。モニ210より一足先に昭和52年に廃車になりました。
鉄道模型 HOナローゲージ 乗工社 11,000円塩浜検車区
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近鉄モ12256
■モデルについて スナックコーナーの付いていない増備車のモデルです。昭和53年頃の製品だと思います。増備車は中間車を組み入れた4輛編成ユニットが多くモデルでも製品化されています。日暮里店でこの4輛編成の完成品が展示販売されていたのを見かけましたが、単品売りもされていましたので、同一の製造ロッドでナンバーが揃った製品はなかなか買い求めることはできませんでした。ロコモデルではモデルチェンジした12400系からの特急車はモデル化されることはありませんでした。 ■実車について 昭和44年から51年まで大量増備されたスナックコーナーなしのスナックカーです。車体更新工事を受けフロントマスクの表情は変わりましたが、昭和から平成になっても近鉄特急の主力でした。シートの柔らかさ、乗り心地は抜群でした。令和になっても走り続けましたが、令和3年2月をもって特急としての営業運転は終了しました。一部はあおぞらⅡ号などの団体車に転用されて現存しています。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1978年頃塩浜検車区
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近鉄モ18002
■モデルについて 京都・橿原線用特急車のモデルです。昭和53年頃の製品だと思います。昭和51年にロコモデルが部品カタログを発行しています。このモデルにはそのカタログ掲載のホワイトメタル製無線アンテナやエアホースが取り付けられていますが脆弱なパーツでした。床下器具も他社製品の型写しのパーツようです。18000系の完成品はレアモデルですが相棒のモ18001がないのが残念です。 ■実車について 昭和40年に製造された京都・橿原線用特急車でわずか4輛2編成のグループです。奈良電鉄合併後、同線特急車輌に旧奈良電車輌を改造した680、683系を充当しましたが、増発により車輌が不足したため本線特急に準じた車体が新造されました。しかしながら足回りは600系流用品で吊掛式でした。このため車齢18年の若さで昭和57年に廃車されました。旧車体ながらWN駆動だった680系は志摩線で使用され昭和62年まで生き延びました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1978年頃塩浜検車区
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黒部峡谷鉄道ED8
■モデルについて 昭和52年にしなのマイクロからぷろじぇくと80ブランドで発売された1/80ナロー完成品です。キットから発売されましたが、マニアックすぎて売れ残りが多かったこともあり、現在でもネットオークションによく出品されます。小さい車体にインサイドギアとコアレスモーターが組み込まれています。パンタグラフは折りたたむことはできません。 ■実車について 昭和9年東洋電機で製造された凸型電機機関車です。黒部峡谷の関西電力線用鉄道線で入換運用や工事用列車の牽引をおこなっていましたが、現在は新黒部駅前に保存されています。
鉄道模型 16番ナローゲージ しなのマイクロ 1977年塩浜検車区
