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Punch Brothers / All Ashore
(2018) 約3年ぶりとなるパンチ・ブラザースのセルフ・プロデュースによる5枚目のアルバム。 前作後からソロでの活動も行なってきたが、そこでの経験をこのアルバムに大きく反映させている感じがする。彼らの生み出したそのサウンドは、もはや“ブルーグラス”と言ったジャンルでは収まりきれない気がする。個人的には“ジャンル分け”が嫌いなので、パンチ・ブラザースがカントリーのコーナーに置かれているのは解せない。聴いて頂ければわかると思うが、彼らのサウンドとビル・モンロー等とは全くの別物だと思う。 まぁ、枠組みって必要だとも思えるが、日本みたいな国でパンチ・ブラザースの良さを伝えるなら“カントリー”ではない気がする。前作が大量に余っていた感がある大きなレコード屋があったが、カントリーに並んでいてホントに残念だった…。担当さんは聴いてないんだろうなとも思えた…残念。 ってよか、さすが“Nonesuch”って感じがする。この説明はいいか…。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. All Ashore 02. The Angel of Doubt 03. Three Dots and a Dash 04. Just Look at This Mess 05. Jumbo 06. The Gardener 07. Jungle Bird 08. It's All Part of the Plan 09. Like It's Going Out of Style
Nonesuch Recordsk-69
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David Byrne / American Utopia
(2018) 2004年の“Grown Backwards”以来14年ぶりとなるソロ名義でのアルバム。バーンとパトリック・ディレット、ロディ・マクドナルドのプロデュース。 相変わらずのリズミカルな曲にウキウキした気分になれるが、このアルバムにはドロドロした政治的な問題が含まれているようだ。しかし、そんなことは関係なくバーンの“音作り”を楽しんでいたりする。 さらに、このアルバムには女性が参加していないことをバーンが謝罪しているとのニュースが入ったりもしている。 いろんな人のいろんな思いで身動きが取れなくなったりする時代だが、音楽がひとつの問題提起となっているのはいいと思える。 ブライアン・イーノが曲作りに参加しているのは嬉しいことだ。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. I Dance Like This 02. Gasoline and Dirty Sheets 03. Every Day Is a Miracle 04. Dog's Mind 05. This Is That 06. It's Not Dark Up Here 07. Bullet 08. Doing the Right Thing 09. Everybody's Coming to My House 10. Here
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Rhiannon Giddens / Factory Girl
(2017) 2015年にレコードと音楽配信で発表されていた、リアノン・ギデンズの5曲入りEP盤がようやくCDとしてリリースされた。T・ボーン・バーネットのプロデュース。 異国情緒溢れる内容がバーネットらしいし、その音作りを歌いこなしてしまうギデンズの歌唱力が素晴らしい。圧倒的な感じではなく、じわじわと染み込んでくる感じがいい。 5曲と少ないのが、ギデンズの歌声をもっと聴きたくなる欲求を生んでいる。数えるなら1.5枚目のアルバムだろう。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. That Lonesome Road 02. Mouth Music 03. Moonshiner's Daughter 04. Underneath the Harlem Moon 05. Factory Girl
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Chris Thile & Brad Mehldau / Chris Thile & Brad Mehldau
(2017) ノンサッチ・レコードから2枚組でリリースされた、クリス・シーリーとブラッド・メルドーのデュオ・アルバム。2人だけでの演奏で、プロデュースも行なっている。 ニッケル・クリークやパンチ・ブラザースで、ブルーグラスのシーンを牽引しているシーリーと、ジャズ・ピアニストのメルドーの共演となっている。メルドーのピアノを聴くのは、ジョシュア・レッドマンのアルバム以来かもしれない。 シーリーがヴォーカルとマンドリン、メルドーがピアノとヴォーカルで、緊張感のある2人の演奏だがマンドリンとピアノという組み合わせがなかなかいい。 “The Old Shade Tree”は2人の共作で、単独では2曲ずつ書いている。後はカヴァーとなっていて、ボブ・ディランの“Don't Think Twice It's Alright”やジョニ・ミッチェルの“Marcie”などを演奏している。 2011年くらいから共演していたようなので、こうしてアルバムとなってリリースされることは嬉しい限りだ。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 disc: 1 01. The Old Shade Tree 02. Tallahassee Junction 03. Scarlet Town 04. I Cover the Waterfront 05. Independence Day 06. Noise Machine disc: 2 07. The Watcher 08. Daughter of Eve 09. Marcie 10. Don't Think Twice, It's All Right 11. Tabhair dom do Lámh
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