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Joni Mitchell / Mingus
(1979) ジョニ・ミッチェルのセルフ・プロデュースによる10枚目のアルバム。 もともとはジャズ・ベーシストのチャールス・ミンガスとの共演アルバムを録音していたのだが、リリースされたアルバムではミンガスの演奏は収録されていない。 録音メンバーは、ベースがジャコ・パストリアス、ピアノがハービー・ハンコック、ソプラノ・サックスがウェイン・ショーター、ドラムがピーター・アースキン、コンガがドン・アライアスとなっていて、初めてジャズのミュージシャンだけで録音されている。 ミンガスの曲に詩を付けたのが、“A Chair In The Sky”、“Sweet Sucker Dance”、“The Dry Cleaner From Des Moines”、“Goodbye Pork Pie Hat”の4曲。 ミンガスは1979年の1月に他界しているので、追悼盤になってしまった…。 ミッチェルとパストリアスの共演のラスト・アルバムとなった。翌年にライヴ・アルバムの“Shadows and Light”をリリースし、ミッチェルはアサイラム・レコードを離れた。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Happy Birthday 1975 02. God Must Be a Boogie Man 03. Funeral 04. A Chair in the Sky 05. The Wolf That Lives in Lindsey 06. I's a Muggin' 07. Sweet Sucker Dance 08. Coin in the Pocket (Rap) 09. The Dry Cleaner from des Moines 10. Lucky (Rap) 11. Goodbye Pork Pie Hat
Don Juan's Reckless Daughter Wild Things Run Fast Asylum Recordsk-69
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Joni Mitchell / Don Juan's Reckless Daughter
(1977) ジョニ・ミッチェルのセルフ・プロデュースによる、9枚目のアルバム。 ダブル・アルバムでリリースされているが、1枚目のB面の“Paprika Plains”が16分を超えていて6分を超える曲が3曲もあるからだ。“Paprika Plains”はミッチェルのピアノでの弾き語りに、オーケストラの演奏が挿入されている。ドラマティックなオーケストラとの演奏は、ミッチェルの新たな方向性を感じる。 バンドのメンバーとの共作“The Tenth World”は、パーカッションの洪水といった感じだろう。ミッチェルは、アフリカのリズムにも興味を持っていたのかもしれない。 ソプラノ・サックスでウェイン・ショーター、コーラスでチャカ・カーン、グレン・フライ、J.D.サウザーが参加していたりする。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Overture-Cotton Avenue 02. Talk to Me 03. Jericho 04. Paprika Plains 05. Otis and Marlena 06. The Tenth World 07. Dreamland 08. Don Juan's Reckless Daughter 09. Off Night Back Street 10. The Silky Veils of Ardor
Hejira Mingus Asylum Recordsk-69
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Joni Mitchell / Hejira
(1976) ジョニ・ミッチェルのセルフ・プロデュースによる8枚目のアルバム。 このアルバムは、ジャコ・パストリアスが参加していることでミッチェルのキャリアの中で代表作に上げられることが多い。確かにパストリアスの参加した“Coyote”、“Hejira”、“ Black Crow”、“Refuge Of The Roads”でのプレイはさすがである。しかし、ラリー・カールトンのギターも忘れてはいけない感じもする。パストリアスとカールトンが参加している“Coyote”と“Black Crow”が、このアルバムでのベスト・テイクかもしれない。 しかし、ニール・ヤング好きとしては、ヤングがハーモニカで参加している“Furry Sings The Blues”がいちばんかもしれない。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Coyote 02. Amelia 03. Furry Sings the Blues 04. A Strange Boy 05. Hejira 06. Song for Sharon 07. Black Crow 08. Blue Motel Room 09. Refuge of the Roads
The Hissing of Summer Lawns Don Juan's Reckless Daughter Asylum Recordsk-69
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Joni Mitchell / The Hissing of Summer Lawns
(1975) ジョニ・ミッチェルのセルフ・プロデュースによる7枚目のアルバム。 このアルバムは、ミッチェルの新しい方向性を試した感じの内容となっている。キラキラした感じの“In France They Kiss on Main Street”と、アフリカのリズムを導入した“The Jungle Line”を聴けば、このアルバムのクオリティーの高さを感じられるだろう。 コーラスの多重録音が見事なタイトル曲の“Shadows and Light”は、シンセサイザーとオルガンをミッチェルが弾いている崇高な仕上がりとなっている。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. In France They Kiss on Main Street 02. The Jungle Line 03. Edith and the Kingpin 04. Don't Interrupt the Sorrow 05. Shades of Scarlett Conquering 06. The Hissing of Summer Lawns 07. The Boho Dance 08. Harry's House / Centerpiece 09. Sweet Bird 10. Shadows and Light
Court and Spark Hejira Asylum Recordsk-69
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Joni Mitchell / For the Roses
(1972) アサイラム・レコードに移籍してリリースされた、ジョニ・ミッチェルのセルフ・プロデュースによる5枚目のアルバム。 このアルバムは、ミッチェルが新たなスタイルを模索している感じの内容となっている。 大きなサウンドの変化はピアノで演奏される曲が増え、サックスを取り入れたことかもしれない。サックスの導入により、より深みのあるサウンドとなっている。 スティーヴン・スティルスやグラハム・ナッシュが参加しているが、新たにトム・スコットやウィルトン・フェルダーが参加している。サックス・プレイヤーとして有名なフェルダーは、このアルバムではベースを弾いている。 成功を手に入れたミッチェルがさらに進化した、聴いておきたいアルバムひとつ。 《songlist》 01. Banquet 02. Cold Blue Steel and Sweet Fire 03. Barangrill 04. Lesson in Survival 05. Let the Wind Carry Me 06. For the Roses 07. See You Sometime 08. Electricity 09. You Turn Me on I'm a Radio 10. Blonde in the Bleachers 11. Woman of Heart and Mind 12. Judgement of the Moon and Stars (Ludwig's Tune)
Blue Court and Spark Asylum Recordsk-69
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Gene Clark / No Other
(1974) アサイラム・レコードに移籍した、ジーン・クラークの4thアルバム。トーマス・ジェファーソン・ケイのプロデュース。 基本セットは、ラス・カンケルとリーランド・スカラーリズム隊に、ジェリー・マッギーのギターとマイケル・ウテリーのキーボードといった布陣となっている。そこにジェシ・エド・デイヴィスやダニー・コーチマーなどのゲストが絡んでいる。 タイトル曲の“No Other”と“The True One”は、ブッチ・トラックスがドラムを叩いている。 “From A Silver Phial”ではクリス・ヒルマンのマンドリンとティモシー・B・シュミットのコーラスが聴きどころかもしれない。 楽器の音が大きく、音のバランスがイマイチな気がして残念。時代に合わせた感じの音作りとなっているが、クラークらしさは残っている。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Life's Greatest Fool 02. Silver Raven 03. No Other 04. Strength of Strings 05. From a Silver Phial 06. Some Misunderstanding 07. The True One 08. Lady of the North
Asylum Recordsk-69
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Jackson Browne / Running on Empty
(1977) ジャクソン・ブラウンのセルフ・プロデュースによる5枚目のアルバム。 このアルバムはちょっと変わっている。1977年のツアーのライヴ・アルバムなのだが、ステージだけではなくバックステージ、ホテルやバスの中での演奏も収録されている。 さらに、オリジナルの新曲とカヴァーで構成されているのも面白い感じがする。 ダニー・オーキフのカヴァー“The Road”は、前半は部屋での弾き語りだが、後半はバンドとのライヴとなっている。 バンドは“ザ・セクション”のダニー・コーチマー(g)、リーランド・スカラー(b)、クレイグ・ドエージ(p)、ラス・カンケル(ds)に、デヴィッド・リンドレーとなっている。 スタジオで作り上げたサウンドも良いけれど、ラフな感じで演奏されているのに味わいを感じる。このアルバムを聴くと、“ライヴは教室だった”ってロビー・ロバートソンの言葉を思い出してしまう。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Running on Empty 02. The Road 03. Rosie 04. You Love the Thunder 05. Cocaine 06. Shaky Town 07. Love Needs a Heart 08. Nothing But Time 09. The Load-Out 10. Stay
The Pretender Hold Out Asylum Recordsk-69
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Jackson Browne / Jackson Browne
(1972) ジャクソン・ブラウンのアサイラム・レコードからのデビュー・アルバム。Richard Sanford Orshoffのプロデュース。 ラス・カンケル(ds)、リーランド・スクラー(b)のリズム隊に、アルバート・リーやジェシ・エド・デイヴィス、クレランス・ホワイトのギタリストなどの豪華な布陣で録音されている。 シングル・チャートで8位となった代デビュー・シングルの“Doctor My Eyes”は、爽やかなサウンドの中に響くジェシ・エド・デイヴィスのギターが印象的だ。 リンダ・ロンシュタットがカヴァーした“Rock Me on the Water”では、デヴィッド・クロスビーがハーモニー・ヴォーカルをつけている。 デヴィッド・ゲフィンがジャクソン・ブラウンのために設立したアサイラム・レコードだが、その期待に応える内容のアルバムをリリースした。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Jamaica Say You Will 02. A Child in These Hills 03. Song for Adam 04. Doctor My Eyes 05. From Silver Lake 06. Something Fine 07. Under the Falling Sky 08. Looking into You 09. Rock Me on the Water 10. My Opening Farewell
For Everyman Asylum Recordsk-69
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Linda Ronstadt / Living in the U.S.A.
(1978) カントリーのフィールドから脱却したリンダ・ロンシュタットの9枚目のアルバム。ピーター・アッシャーのプロデュース。全米チャートで1位、カントリー・チャートで3位となった。 J.D.サウザー、ウォーレン・ジヴォン、エリック・カズとお馴染みのカヴァーに、エルヴィス・コステロが新たに加わった。このアルバムではコステロの代表曲のひとつ“Alison”を歌っている。デヴィッド・サンボーンのアルト・サックスが、オリジナルには無い色を加えている。 サンボーンのサックスと言えば、ザ・ミラクルズの“Ooo Baby Baby”でもいい味を出している。 時代を感じさせられるジャケはイマイチだが、聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Back in the U.S.A. 02. When I Grow Too Old to Dream 03. Just One Look 04. Alison 05. White Rhythm & Blues 06. All That You Dream 07. Ooh Baby Baby 08. Mohammed's Radio 09. Blowing Away 10. Love Me Tender
Simple Dreams Mad Love Asylum Recordsk-69
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Linda Ronstadt / Simple Dreams
(1977) 全米チャートとカントリー・チャートの両方で1位を記録したリンダ・ロンシュタットの8枚目のアルバム。ピーター・アッシャーのプロデュース。 このアルバムは両面の頭の曲のインパクトにやられる。A面はバディ・ホリーの“It's So Easy!”で、B面はロイ・オービソンの“Blue Bayou”となっている。そして、どちらの面も2曲目はウォーレン・ジヴォンの曲を歌っているのが興味深い。“Blue Bayou”ではドン・ヘンリーがバッキング・ヴォーカルで参加している。 両面のラストの曲もトラディショナルとなっているので、収録曲の順番をかなり意図していることがわかる。 シングル・カットされた“Tumbling Dice”は32位と伸び悩んだ…。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. It's so Easy 02. Carmelita 03. Simple Man, Simple Dream 04. Sorrow Lives Here 05. I Never Will Marry 06. Blue Bayou 07. Poor, Poor Pitiful Me 08. Maybe I'm Right 09. Tumbling Dice 10. Old Paint
Hasten Down the Wind Living in the U.S.A. Asylum Recordsk-69
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Linda Ronstadt / Hasten Down the Wind
(1976) ピーター・アッシャーのプロデュースによる、リンダ・ロンシュタットの7枚目のアルバム。グラミー賞の“ベスト・ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス”に輝いた代表作のひとつ。 このアルバムではカーラ・ボノフに提供された3曲を歌っている。ウォーレン・ジヴォンの曲もそうだが、歌声にしなやかさを感じられるようになった。 リンダが作詞に加わった“Lo Siento Mi Vida”は後の3分作繋がる感じだし、“Rivers of Babylon”は映画“The Harder They Come”のサントラに収録されていたレゲエの曲で音楽的に幅を広げた内容となっている。 極め付けはウィリー・ネルソンが書いて、アメリカン・スタンダードの“Crazy”だろう。演奏も歌声も抜群の仕上がりとなっている。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Lose Again 02. The Tattler 03. If He's Ever Near 04. That'll Be the Day 05. Lo Siento Mi Vida 06. Hasten Down the Wind 07. Rivers of Babylon 08. Give One Heart 09. Try Me Again 10. Crazy 11. Down So Low 12. Someone to Lay Down Beside Me
Prisoner in Disguise Simple Dreams Asylum Recordsk-69
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John Fogerty / John Fogerty
(1975) 自らの名前をタイトルに付けた、セルフ・プロデュースによるジョン・フォガティの2ndアルバム。アメリカではアサイラム・レコード、その他の国ではファンタジー・レコードからのリリースとなった。 ステイタス・クォーのカヴァーで知った“Rockin' All Over the World”がオープニングに収録されている。全米のシングル・チャートで27位を記録した。 ジャッキー・ウィルソンの“Lonely Teardrops”のカヴァーも収録している。 アナログのB面の1曲目の“Almost Saturday Night”もシングル・カットされ、デイヴ・エドモンズなどにカヴァーされた。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Rockin' All Over the World 02. You Rascal You 03. The Wall 04. Travelin' High 05. Lonely Teardrops 06. Almost Saturday Night 07. Where the River Flows 08. Sea Cruise 09. Dream Song 10. Flyin' Away
The Blue Ridge Rangers Centerfield Asylum Recordsk-69
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Linda Ronstadt / Prisoner in Disguise
(1975) リンダ・ロンシュタットの6枚目のアルバム。引き続き、ピーター・アッシャーのプロデュース。 このアルバムでは選曲に幅が出て、ザ・ミラクルズの“Tracks of My Tears”やマーサ&ザ・ヴァンデラスの“Heat Wave”のモータウン・ソングを歌っている。他にもジミー・クリフの“Many Rivers to Cross”と、伸びのある歌声を聴かせてくれている。 リンダが恵まれているのは、バック・ミュージシャンだと思う。人徳だと思うけど、ホントに良い音を聴かせてくれている。演奏が良いから、自然と歌が上手くなっていったのだろう。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Love Is a Rose 02. Hey Mister, That's Me up on the Jukebox 03. Roll Um Easy 04. Tracks of My Tears 05. Prisoner in Disguise 06. (Love Is Like A) Heat Wave 07. Many Rivers to Cross 08. The Sweetest Gift 09. You Tell Me That I'm Falling Down 10. I Will Always Love You 11. Silver Blue
Heart Like a Wheel Hasten Down the Wind Asylum Recordsk-69
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Linda Ronstadt / Don't Cry Now
(1973) リンダ・ロンシュタットの4thアルバムは、アサイラム・レコードに移籍しての第1弾。J.D.サウザー、ジョン・ボイラン、ピーター・アッシャーのプロデュース。 デビュー・アルバムで歌った“Silver Threads and Golden Needles”を再度レコーディングしている。リンダの歌心が上がったので、いい感じに仕上がっている。 イーグルスの“Desperado”や、ランディ・ニューマンの“Sail Away”、ニール・ヤングの“I Believe in You”、J.D.サウザーの“The Fast One”は女性ならではの優しさと強さが歌に込められているようだ。 聴いておきたいアルバムのひとつ。 《songlist》 01. I Can Almost See It 02. Love Has No Pride 03. Silver Threads and Golden Needles 04. Desperado 05. Don't Cry Now 06. Sail Away 07. Colorado 08. The Fast One 09. Everybody Loves a Winner 10. I Believe in You
Linda Ronstadt Heart Like a Wheel Asylum Recordsk-69
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John David Souther / Black Rose
(1976) 約4年ぶりとなるJ.D.サウザーの2ndアルバムは、ピーター・アッシャーのプロデュース。 1974年からサウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドで活動するも、結果が出ずに2枚のアルバムで解散となった。 このアルバムでは、グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ジョー・ウォルシュに、デヴィッド・クロスビー、アート・ガーファンクル、ローウェル・ジョージ、そしてリンダ・ロンシュタット等の豪華なゲストが参加している。 “Faithless Love”、“Simple Man, Simple Dream”、“Silver B”はリンダ・ロンシュタットに書いた曲のセルフ・カヴァーとなっている。 あまり語られることは無い、70年代の隠れたアルバムのひとつ。 《songlist》 01. Banging My Head Against the Moon 02. If You Have Crying Eyes 03. Your Turn Now 04. Faithless Love 05. Baby Come Home 06. Simple Man, Simple Dream 07. Silver Blue 08. Midnight Prowl 09. Doors Swing Open 10. Black Rose
John David Souther You're Only Lonely Asylum Recordsk-69