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放送開始期高級受信機
Freed-Eisemann NR-5型ニュートロダイン受信機 メーカー:Freed-Eisemann Radio Co. Ltd 年代:1923年 業務用の無線機がそのまま使われていた初期のラジオは、プロ用のきわめて実用本意のデザインで、素人には使いこなせないものだった。これは、1920年代前半を代表するアメリカ製の高級受信機で、高周波2段増幅を安定に行うため、ニュートロダイン式としている。
日本ラジオ博物館
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アールデコ・デザインのラジオ
RCA Radiola 33型7球TRF受信機 RCA model 100-B 型スピーカ メーカー:Radio Corporation of America 年代:1928-29年 ラジオが普及すると、つまみは最小限に整理され、配線や端子は背面に隠された。これはアメリカを代表するメーカの製品で、流行のアールデコスタイルにアメリカ先住民の工芸品の意匠を取り入れている。量産性向上のために自動車の金属プレス技術がキャビネット製造に応用された。
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モダン・デザインの米国製ラジオ
Majestic model 463 "Century Six" メーカー:Grisbey-Grunow Co 年代:1933-34年 最新のモダニズムを取り入れた直線的な箱とクロームメッキを施した大胆な”Waterfall”柄のグリルが特徴的な6球スーパー。メーカの地元シカゴで開催された博覧会Worlds Fair "Century of Progress"を記念して発売され、"Smart Set"と呼ばれヒットした。
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英国製ベークライトラジオ
Ecko model A.D.75 メーカー:E.K.Cole Ltd (U.K.) 年代:1940年 ベークライト(熱硬化性プラスチック)の特徴を生かした英国製のユニークなデザインのラジオ。1935年から基本デザインを変えずに戦後まで作られた。これは戦時中の小型のモデルで、欧州で不足した木材資源の代用品という意味合いもあった。
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戦時末期の標準受信機
放送局型第123号受信機 メーカー:原口無線電機 年代:1944年 放送協会が定めた標準受信機である放送局型受信機は、戦時中の統制経済の下、日本の標準ラジオとなった。初期型は板を曲げて局面を作っていたが、この戦争末期のモデルは、板を薄くしすぎたために局面を維持できずに角形となった。
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戦時下の国産標準受信機
放送局型第122号受信機 メーカー:双葉電機 年代:1942年 放送局型受信機は放送協会が定めた標準受信機である。戦時中の統制経済の下、標準受信機に求められたのは資材節約であった。この機種のパネルは、単純な直線と曲線だけで構成され、塗り分け方などにアールデコの要素を見て取れる。厳しい制約の中でモダンデザインを実現しようとした秀作である。
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ドイツ国民受信機
Deutsher kleinampfanger DKE1938 メーカー:Roland Brandt 年代:1938年 金属資源を極限まで消滅し、小型化と低価格化を実現したナチスドイツの普及型受信機。 キャビネットだけでなく、シャーシも樹脂で作られている。日本でも戦時中から戦後にかけて広く使われたフレームまで紙製のスピーカはこのドイツ製がオリジナルである。
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終戦直後の個性的なラジオ
TAC 国民型受信機 メーカー:東京工芸(株) 年代:1947年 終戦直後に「楽しむラジオ」をモットーにユニークな製品で新規参入した中小メーカーのラジオ。デザインに非凡なものはあったが、回路技術、資金力が伴わず数年で消滅した。登場する時代がもう少し後であれば、デザインスタジオとして成功したかもしれない。なお、TACは、Tokyo Art Craftの略である。
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ハイファイ・チューナ
ヤマハ R-2型 ハイファイチューナ メーカー:日本楽器(株) FM放送開始以前、AMの音楽放送は愛好家にとって重要なソースであった。これはヤマハの初期の高級チューナーで、榮久庵憲司がデザインを手がけた。黄金比を巧みに取り入れたシンプルなパネルのデザインは、当時の水準をはるかに超えた仕上がりである。
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デザイン賞を受賞した卓上電蓄
コロムビア RG-700型 ラジオ付卓上電蓄 メーカー:日本コロムビア(株) 年代:1952年 1952年の第1回新日本工業デザインコンクールで第1席に選ばれた作品。1954年には他機種と共通のプレーヤ部を変更したRG-701型に変更されたが、外観は全く変わっていない。日本の工業デザインの総明期を飾る傑作のひとつ。
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地球儀型トランジスターラジオ
MARC 地球儀型ラジオ メーカー:ニューホープ実業 年代:1960年頃 発熱が少なく小型のトランジスターラジオは、様々な形の外装に収めることが可能で、ユニークな形のラジオが多く作られた。これはその一つで、日本の中小メーカが主に輸出向けに製造したもの。後に、発注元の米国企業とデザインの帰属をめぐって裁判となった。
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6石ポケット型トランジスタラジオ
ソニー TR-610型 メーカー:ソニー(株) 年代:1958-60年 この小型ラジオは欧米で大ヒットし、多くの模造品が出るまでになった。1960年代、日本製トランジスタラジオはアメリカ向けを中心に主要な輸出製品に成長した。
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6石トランジスタラジオ
KOYO KR-6TS2型 メーカー:光洋電子工業 年代:1959年 ポータブルラジオ専業メーカーが主に輸出用に製造した6石スーパー。ソニーRT-610型と並んでグッドデザイン賞を受賞した。当時の一般的な製品よりシンプルで洗練されている。メーカーはその後1960年代以降工業用電子機器に事業転換した。
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ソニーの中級ラジオ
TR-815-B型 8石2バンドスーパー メーカー:ソニー(株) 年代:1960年 幅20cm近い大型のトランジスタラジオ。ギヤ駆動される3連のエアバリコンが使われ、メイン・チューニングの他にファイン・チューニングツマミが設けられているなど、性能を重視した高級機である。
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Black & Silver デザインのラジオ
ソニー EFM-117J型 メーカー:SONY 年代:1964年 ソニーは、従来パステルカラーの箱と派手なゴールドのスピーカーグリルの組み合わせが主流だったトランジスタラジオに、黒いプラスチックのキャビネットにアルミの地色を生かしたシルバーの組み合わせの精悍なデザインを投入した。その後60年代後半から70年代にかけて、このデザインがラジオの主流となる。デザインだけでなく、回路についてもノーベル賞を受賞した江崎玲於奈博士がソニー在籍中に発明した「エサキダイオード」を採用した特徴のある製品である。
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