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暗い夜 b/w テスト・パターン 古谷充とザ・フレッシュメン
クール・ジャズという言葉がありますが、本当に「クール」な日本人によるジャズとはこういう曲を指すのではないかと思います。普段はジャズ・ボーカルものなど全く聴かないのですが、この曲だけは別格。何度聴いても、昭和の大人たちによる、大人のための音楽であると痛感します。確か小谷氏が20代中ごろの録音のはずなのですが、そのスモーキーな歌声のすばらしさ。言うまでもなく関西ジャズ・シーンの重鎮だった小谷氏、一昨年の逝去が惜しまれます。B面の「テスト・パターン」の歌詞、「夕暮れ前のテレビに映る テスト・パターンのその顔」この曲のリリース当時はまだテレビ放送の黎明期で、テレビの放送開始は夕方からだったはずなのでこういう歌詞。これは誤った解釈だろうか。ちょっと古すぎてそこは定かではありません笑。いずれにしても、日本のジャズ史に残る極めてモダンかつユニークなキラー・チューンだといえるでしょう。
ジャズ 7" Single テイチク揖斐是方
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ゲーリー・バートン/サイケデリック・ワールド Gary Burton Larry Coryel
ビクター盤が続きますが、これも中古レコード店で何気なく手に取ってから気になり、まずはCDで入手し、内容が 当たりだっために改めてエルピーでもという手順を踏んだ一枚です。ヴィブラフォン奏者ならばロバート・ウッドとミルト・ジャクソンくらいしか知らなかったのですが、やはり落ち着いたところはゲイリー・バートン。このアルバムの前後数枚は特に興味深いものがあります。まだクロスオーバーなんていう言葉すらなかった60年代後半の、ロックとジャズの接近・融合が試みられていたあの時代の空気が横溢する音楽です。原題といい、カバー・デザインといい、サイケ時代へのジャズ側からの返答といっていいでしょう。あの時代、ロックのフィールドにいながら最もジャズに隣接する立ち位置にいたギタリストの一人がロビー・クリューガーとするならば、ここに参加しているラリー・コリエルなどはまさに、ジャズ側からロックに最も接近していたギタリストだったのではないでしょうか。きちんスピーカーに対峙して聴く必要のある、とてもイマジネイティブな音楽です。#psychedelc jazz
ジャズ LP, Album ビクター揖斐是方
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「リンゴ追分」と「金の指輪」 ニーナ・シモンの「リトル・ガール・ブルー」
1950,60年代には日本とアメリカのレコード会社で、互いの流行音楽の情報交換としてレコードを送りあっていたという話を聞いたことがあります。半世紀以上前ならばそれは容易に考えられるわけで、ただ、こちらは向こうのものを参考にしまくったはず笑なのに対し、向こうはこちらのものなどあまり役にたたなかったのではと思われますが。日本コロムビアから1952年5月に発売されたのが美空の「リンゴ追分」、対してニーナ・シモンのこの名作とされるファーストは、録音が1957年、リリースされたのが1959年。米国ベツレヘム・レーベルから。アール・バローズ(ジョージ・ストーン)作のPLAIN GOLD RING、邦題「金の指輪」が収録されています。この両曲が似ている。似ているというよりも、率直な印象は、やったなと笑。日本から送られてきたひばりの「追分」に大きくインスパイアされて書かれたのが「金の指輪」なのではないかと、日本の流行歌が先という、とても稀有な例として。但し、ベツレヘムというレーベルは当時の日本での配給はコロムビア系列じゃなくキングがどこかだったはずなので、その辺の経緯はわかりませんが。あるいは私の全くの見当違いかもしれず、事実関係も含めてこの二曲をめぐる話に詳しい方がいらしたら、ご教示願いたいと思っています。#Ninasimone #美空ひばり
ジャズ 音楽CD ソリッド揖斐是方
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チャーリー・ワッツのプロデュース PEOPLE BAND 1968
メル・デイヴィス(p)リン・ドブソン(ts)トニー・エドワーズ(dr)ら総勢10名からなるフリー・インプロヴィゼイション・ジャズ・バンドのアルバムです。1968年10月1日にロンドンのオリンピック・スタジオで録音。これは1970年に出たオリジナル盤アナログに3曲の未発表マテリアルを加えたもので、ローリング・ストーンズのファンには有名な、チャーリー・ワッツがプロデューサーをつとめたアルバムです。68年のストーンズといえば、ああいう時期でありまして(笑)、まあジャズ好きなワッツとしては妥当な活動ではあったのでしょう。ミュージシャンが自由にセッションを楽しむ趣旨の番組では、れっきとしたジャズ・ドラマーとして出演していたワッツですが、結局そこでもジャズにアレンジした「ホンキートンク・ウィメン」などをやっちゃていました・・・ #therollingstones #freejazz
ジャズ 音楽CD EMANEM揖斐是方
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演奏中に始めた本気の喧嘩が収録されたライヴ・アルバム「シチリアーノ」藤川義明・翠川敬基・AKETA
翠川氏のアルバムで好きなのが一枚あったのですが、このあたりの人脈の音楽には疎く、ただ興味本位だけで入手したジャズのアルバム。(2007年)開演前から険悪な空気があったそうで、よりによって演奏の真っ最中に怒りが爆発、「シチリア・マフィア・ブルース」の途中で相手をひっぱたく音が3発。アルトサックスの藤川氏からチェロの翠川氏へ。ところが録音を聴いてみるとその夜の三人の演奏はとてもいいということで、明田川氏がリリースに踏み切ったようです。それにしても、ロックならいざしらず、西荻の、あの狭いアケタの店で、17人の客の前で「楽曲の演奏中に喧嘩」、ファイティング・ライヴ・ヴァージョンとはすごい笑。究極のドキュメンタリー・アブソルートリー・ライヴ。#CD #明田川荘之 #翠川敬基 #藤川義明 #ジャズ
ジャズ 音楽CD アケタズディスク揖斐是方
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TRIO/The Mike Taylor Trio
ブリティッシュ・ジャズ・シーンにおけるシド・バレット、もしくはアルバート・アイラー。ドラッグ常習、奇行癖、そしてアイラーより遡ること二年弱、謎の水死体で発見されたというピアニスト。生前に遺したアルバムはわずか二枚ですから、ますます伝説化される要素は大。とにかくこの人は全く知らず、ドラムスがジョン・ハイズマン、ベースがジャック・ブルースであるというだけで買ってみて聴きましたがこれが当たりでした。「クリームの素晴らしき世界」には作曲家として3曲でクレジットされている人物だということも意外でした。#クリーム #ジャックブルース #コラシアム #CD #ブリティッシュ・ジャズ #ピアノトリオ #cream
ジャズ CD ユニバーサル揖斐是方