生きているだけのことなんだ/阿木譲 クニ河内 ハプニングス・フォー ロック・マガジン創刊者

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多彩な経歴を持つ阿木氏の詳細はウィキペディアでお調べいただくとしまして、昔、この人が60年代には6枚ものシングルを歌謡歌手として東芝から出していた過去があると知った時は驚いたものです。あのマニアックを極めた「ロック・マガジン」の音楽評論家でしたから。これは1年余にわたる歌手生活を終え、拠点を関西に移した1970年に自主製作として限定100枚でリリースしたシングルの、イギリスでの復刻盤です。こちらも限定300枚とのこと。A面はクニ河内が編曲。演奏はハプニングス・フォーという話ですが可能性はあるでしょう、同じ東芝のレーベルメイトでもあったことだし。両面ともに「あぎ じょう」名義のオリジナルで、「俺らは死ぬのが怖いから 生きているだけのことなんだ」という結論をド直球で、直情的、衝動的な叫びに至る、虚無と実存が交錯したなんとも時代を感じさせる作風。いずれにしても、プロだった人がアマチュアに戻り、自由な表現をしてみたところ、結果的にはなんとも奇妙かつ珍奇な、ちょっと他ではみつからないタイプのレコードとなった、といえるでしょう。

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