Canon New F-1 AE

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Canon New F-1 AE

キヤノンマニュアルフォーカス一眼レフフラグシップのNewF-1の通常ファインダーではなく、絞り優先AE用に用意されたファインダーを装着したモデル。
実のところ絞り優先AEは通常のファインダーでも可能である。ボディのシャッタースピードダイアルをAにすれば作動する。が、
絞り値とそれに対応するシャッタースピードのファインダー表示がないのである。
ボディ単体ではマニュアル時の追針式のメーターで、シャッター優先時もこの表示である。
ちなみに両優先が可能ではあるが、シャッター優先AEはモータードライブもしくはワインダーの力が必要で、装着せねばならない。
シャッタースピードダイアルをAにしてレンズ側もAにするとプログラムAEにはならず、最小絞りでの絞り優先AEになるようだ。
システムカメラで、ファインダー交換したり、モータードライブを装着するという「自分仕様に組み上げる」感じが楽しいカメラ。
ファインダースクリーンの交換で部分測光、スポット測光、中央部重点平均測光が選べる。
ただ、これはその時その時のシチュエーションで切り替えたい人は面倒である。
後に出るT90が測光に関してスピーディに切り替えられるのでそちらの方が使いやすくなる。
マルチモードで、モータードライブも内蔵し、乾電池も本数が減るので、フラグシップの座を奪われる形になるが、
長く作られたのはこのカメラである。
ハイブリッドシャッターの件は別室に展示されているペンタックスLXの説明にも記載したが、
高速側がメカニカルシャッターになるハイブリッドシャッターだが、電池が入っている状態では全速電子制御である。
電池が切れても空の電池がバッテリー室に入っているとメカニカルシャッターが作動しないという
AEファインダーがなくても絞り優先AEが作動するのと同じ謎仕様である。
モータードライブ装着時にはバッテリーの取り出しが困難(やったことないので忘れたが、たぶん無理)なので困る。
ワインダーなら一回外せばいいけれども、モータードライブは自動巻き戻しのための軸がフィルム室に入るための蓋が開いているからだ。
(外すと感光のリスクがある)他社のカメラではどう対策されているかというと、

ペンタックスLXはハイブリッドシャッターが作動するので高速側で撮影可能。

ニコンF3はモータードライブから電源供給のためモータードライブが作動する状態なら普通に使える、
モータードライブの電源がなくなってもカメラ本体の緊急メカニカルシャッターで1/60が切れて撮影はできる。

オリンパスOM-4(Ti含む)はモータードライブの巻き戻し軸は巻き戻し操作の時にカメラボディの蓋を開閉させて軸を入れる仕組みなので、
モータードライブを外しても感光のリスクはない。メカニカルシャッター1/60があるので撮影も可能。

という感じ。

なので、NewF-1はちょっと設計に疑問が残る。
プロ用にモータードライブのバッテリーから本体へ電源が供給されるタイプのバッテリーとケーブルとダミー電池のついたバッテリーカバーが用意されていた。
やはり何かあった時に困ったからだと思う。説明書には寒冷地での電源安定供給を謳っていたが。

しかし、堅牢性とかタフさではほかのカメラとは違う感じではありました。ボディの塗装もざらざらしていてやすりのようです。(笑)
さすがに重いのでお留守番が多いですが、モータードライブと白レンズつけてガシャガシャ連写するカメラとしては楽しいカメラです。
(フィルム高いのでさすがに昨今はできませんけどね)

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