大百怪 第三巻 No.1 海月の火の玉

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《物語》
生暖かい風が吹く夜。寺の裏手を歩いていた侍は、怪しい赤い火が近づいてくるのを見た。
不思議に思いつつ、侍は刀を抜く。
ブンッ。空を切る音。 瞬間、ペチャッと顔に張りついた。
それは糊のようなもので、目を開けると周囲が赤く透けて見えた。
糊を取ると、普段と変わらぬ夜道が見えるだけだったという。

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