アーク フンドー星人 スタンダードサイズ 当時物

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フンドー星人が登場する第23話「東京を砂漠にしろ!!」は、始めのうちこそ特撮ヒーローものの定番ともいうべきスポ根特訓エピソードのような感じで進行していくのですが、なにしろ市川森一脚本回だけにそうすんなりとはいきません。強豪宇宙人と思われた星人は実は自爆テロ要員でもあり、首を切り落とされると同時にミサイル誘導電波が発信され、宇宙に控えている宇宙船から打ち込まれたミサイルで周囲を巻き込んで大爆発を巻き起こす、という仕掛けになっていました。最終的にはもちろんジャイアント仮面と春日兄妹たちの連係プレーでミサイルを迎撃、星人の罠を打ち砕いてハッピーエンドとはなりますが・・・、そこに行くまでの一筋縄ではいかないストーリー展開はまさに市川作品の真骨頂。敵を倒したと思ったらその後に更なる罠が待っていた・・・、というシチュエーションは、同じ市川作品の『帰ってきたウルトラマン』の傑作、「悪魔と天使の間に・・・」を思わせるところがあって実に興味深かったです。

さて、アークのフンドー星人。このソフビは『シルバー仮面ジャイアント』の本放映の頃ではなく、1970年代末期の第三次怪獣ブームの頃に発売されたものです。
このアークは合金玩具「アークロン」のブランドでも有名な玩具メーカーですが、以前はマルサンやブルマァクで数多くの怪獣ソフビを世に送り出してきた鐏(いしづき)三郎氏がブルマァク倒産後に新たに立ち上げた会社、と書籍類等でも紹介されていました。しかし最近ではブルマァク時代から既にあった会社とも言われていて、ちょっと謎の多い会社です。それはともかく、このアークが『シルバー仮面ジャイアント』『アイアンキング』の怪獣・宇宙人をスタンダードサイズで新規に造形、“アイアンキングの怪獣シリーズ”として六体リリースしたうちの一体がこのフンドー星人です。(マルサンやブルマァクで主力だったウルトラシリーズの版権がキングザウルスシリーズのポピーに許諾されていた為、やむなく『シルバー仮面ジャイアント』『アイアンキング』の怪獣・宇宙人となったようです。この他にもアークは、オレンジとの共同企画で『流星人間ゾーン』の恐獣六体をスタンダードサイズで発売しました)
フンドー星人のキモともいうべき両手の分銅がオミットされた状態でソフビ化されていますが、シャープで引き締まったフォルム、丁寧なディティーリングにブルマァク後期からの流れが感じられます。それでいて悪たれ小僧のような、どこか憎めない表情の絶妙なデフォルメ具合・・・、このバランス感覚とセンスは、やはりブルマァク時代からの名原型師の仕事でしょうか。
山吹色の成型色に濃いグリーン、メタリックパープルと、カラーリングにも独特の感性が光っていて、なかなかに存在感のあるソフビ人形です。

#シルバー仮面 #アーク #ブルマァク #宣弘社 #ソフビ

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