日本アート・シアター・ギルド アートシアター118号 本陣殺人事件

0

昭和50年9月27日 発行
発行所 株式会社日本アート・シアター・ギルド

昭和50年(1975年)に日本アート・シアター・ギルド(ATG)より刊行された「アートシアター118号 本陣殺人事件」です。
市川崑監督・石坂浩二主演の角川映画第1作『犬神家の一族』に先駆けること1年前に製作された高林陽一監督・中尾彬主演による『本陣殺人事件』。低予算映画ゆえの時代設定の変更(昭和12年→現代)、中尾彬演じる金田一耕助の衣装がジーンズ姿だったりと今となっては「異色の金田一映画」扱いされることも珍しくない作品ですが、高林監督が長年映像化を夢見ていた題材ということもあって、実は物凄く真摯に原作に向き合って製作されており、古い因習が支配する旧家で起こった惨劇を描いた『本陣殺人事件』の世界観を見事に表現していると思います。(大映~映像京都の名美術監督・西岡善信氏の実家を使用した一柳邸のロケーションが素晴らしい!)
サングラスなんかもかけちゃう中尾金田一も案外悪くないですよ。
※「アートシアター」はATGが公開作品ごとに刊行していた機関誌で、内容は主に作品批評とシナリオの完全掲載。上映館のみで販売されていたこともあって、パンフレットとしての役割も兼ねていたようです。(実際、古書市場ではパンフレットとして扱われていることが多いです)

Default