棄景 廃墟への旅 / 丸田祥三

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私自身、ビルの谷間にぽっかり空いた空き地とか、潰れて放ったらかしになっている店舗とか、そういった切ない哀しいものが大好きなので、この写真集には凄く心惹かれる。しかし、こういう感覚は昭和40~50年代にお子様だった世代にしか分からないのかも知れない。高度経済成長から公害問題の顕在化という社会状況を背景に育ち、輝かしい未来という夢を持てた頃を知っていて、そして、その夢が死んでいった経過を体験している世代でないと。

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