-
2001年宇宙の旅
原題:2001: A Space Odyssey 1968年4月公開 小説版:「2001: A Space Odyssey 」アーサー・C・クラーク著 「ツァラトゥストラはかく語りき」のオープニング(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮:ウィーン フィルハーモニー管弦楽団 /1959年 DECCA)から人類の夜明け"THE DAWN OF MAN"。そして「美しく青きドナウ」が流れる、オリオン3型がステーション5へ向かうシーンへ...。セリフなしで導入してしまう、冒頭25分の映像美は50年前の作品とは思えないクオリティです。 異星人とのファーストコンタクトを描くSF作品を撮影しよう思ったキューブリックは、脚本の共同制作をアーサー・C・クラークに依頼します。二人はニューヨークのチェルシー・ホテルの1008号室を1年半借り上げて、構想を練り上げていきます。ここで一つ問題が起こります。未来の時代考証ができなかったのです。30年後の予想はあっても事実がなかったのです。そこでキューブリックは企業や研究施設などに30年後をデザインを依頼(オリオン3型はパンナムに、機内で浮かんでるフロイド博士のボールペンはパーカーにデザインさせたそうです)して、未来の世界を構築していったそうです。 映画の中では極力説明が省かれたため(キューブリックは説明描写が嫌いなため、クラークとも揉めたそうです)、いろいろな考察・解釈が生まれました。
SF キア・デュリア ジェフリー・アンスワース ジョン・オルコットace
-
シャイニング
原題:The Shining 1980年5月公開(日本は 1980年12月) 原作:「The Shining」スティーヴン・キング著 小説家を志すジャック・トランスが引き受けた仕事は、冬期に閉山する山頂にあるホテルの管理だった。しかしそのホテルは恐ろしい曰く付きのホテルだった。徐々に精神に異常をきたしていくジャック。そして狂気の行動へ...。 いつもの左右対象の美しい構図で、見る者の恐怖心を掻き立てます。また、クライマックスの迷路のシーンはステディイカムを一気に有名にしました。 スティーヴン・キングとはホラー映画の捉え方、ひょっとしたら映像作品そのものに対する考え方が違うのかもしれません。 オープニングの空撮映像のストックの一部が、「ブレード・ランナー」のエンディングに流用されたのは有名です。
ジャック・ニコルソン ジョン・オルコット スタンリー・キューブリック スタンリー・キューブリックace
-
バリー・リンドン
原題:Barry Lyndon 1975年12月公開(日本は1976年7月) 原作:「The Luck of Barry Lyndon」ウィリアム・メイクピース・サッカレー著 英国貴族に成り上がっていくアイルランド人青年の栄光と没落を描く。 上映時間185分で2部構成になっています。しかし見終わったあとはそんなに長く感じないのが不思議な映画。そしてこの作品も映像が素晴らしい!時代考証もかなり正確で、アカデミー賞を撮影賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞、編曲賞を獲得しています。
ライアン・オニール ジョン・オルコット スタンリー・キューブリック スタンリー・キューブリックace
-
時計仕掛けのオレンジ
原題:A Clockwork Orange 1971年12月公開(日本は1972年1月) 原作:「A Clockwork Orange」アンソニー・バージェス著 絶対管理下の全体主義と、欲望の赴くままに生きることと。その間の矛盾と葛藤を非感情的に描く。暴力シーンを淡々とみせていく恐怖は、スプラッシュな映像よりも心に残るように思います。初めて観た時、ミルクバーの内装は衝撃でした。
マルコム・マクダウェル ジョン・オルコット スタンリー・キューブリック スタンリー・キューブリックace