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ニューロマンサー / ウィリアム・ギブスン著 黒丸 尚訳
原著は1984年カナダで、日本では1986年刊行 原題 : Neuromancer 1984年のネビュラ賞、フィリップ・K・ディック賞、1985年のヒューゴー賞を受賞。フィリップ・K・ディック賞は1983年に創設されたアメリカでペーパーバックで刊行された(厳しいなぁ)SF作品に贈られる文学賞です。 サイバーパンクといえばコレ。ギブスンは、ブルース・スターリングと並んでこのジャンルの旗手です。冒頭"チバ・シティ・ブルーズ"での描写は秀逸です。
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アンドロイドの夢の羊 / ジョン・スコルジー著 内田昌之訳
2006年刊行 原題 : The Android's Dream 邦題で"釣って"ますが、内容は関係ないです。サイバーパンク要素を含む活劇物で、サクッと読めます。
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バーサーカー 赤方偏移の仮面 / フレッド・セイバーヘーゲン著 浅倉久志、岡部宏之訳
1980年刊行 原題 : Berserker 原著はこちらが1967年で、「バーサーカー 皆殺し軍団」は1969年に発表されました。赤方偏移とは、観測対象がこちらから離れるとき光の波長が長くなる、つまり可視光線が赤いほうへずれる現象のことです。 こちらも加藤直之氏のイラストが秀逸。因みに成原博士は登場しません。
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バーサーカー 皆殺し軍団 / フレッド・セイバーヘーゲン著 岡部宏之訳
1973年刊行 原題 : Brother Berserker 原著は1969年。自己増殖を繰り返す殺戮マシーン「バーサーカー」との戦いを描く。邦題がとんでもなくダサいですが、別にドンパチメインの作品ではありません。加藤直之氏の表紙絵だけでも買う価値あり?! 3枚目は、スタジオぬえデザインが40年の時を越え共演。そして、違和感なし!
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火星年代記 / レイ・ブラッドベリ著 小笠原豊樹訳
1950年刊行 原題 : The Martian Chronicles ハヤカワの銀背は1963年、文庫の初版は1976年です。こちらは2010年の改訂版です。改訂版はエピソードの追加と年代の変更があります。 短編を重ねて一つの長編になっています。火星のお話ですが、アメリカそのものを皮肉った作品です。
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星からの帰還 / スタニスワフ・レム著 吉上昭三訳
1961年刊行。ハヤカワからは1977年です。 原題 : POWROT Z GWIAZD ウラシマ効果で未来の世界に帰ってきた宇宙飛行士の物語。思考・価値観が全く変わってしまっても人は理解し合えるか? レムの描く未来世界が現在とオーバーラップしてみえてちょっと怖いです。
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犬は勘定には入れません ー あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 / コニー・ウィリス著 大森 望訳
1998年の作品 原題 : To Say Nothing of The Dog or How We Found The Bishop's Bird Stump at Last ハヤカワからは2009年刊行です。タイムトラベルものなのでSFにカテゴライズされてますが、ミステリー要素濃いめです。19世紀のイギリスへ冒険に行くストーリーで、19世紀に書かれた小説へのオマージュがあります。
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サターン・デッドヒート / グラント・キャリン著 小隅 黎・高林 慧子訳
1988年刊行で初版本です。 原題 : SATURNALIA "ハードSF"とは?簡単に言いますと、科学的考証がしっかりしているものを指します。こちらの作品は、このハードSFに入りますがエンターテイメントしています。翻訳の小隅氏はレンズマンシリーズなどを手がけられています。
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銀河市民 / ロバート・A・ハインライン著 野田昌宏訳
1957年刊行。 原題 : Citizen of The Galaxy こちらはハヤカワSF文庫1972年の初版本です(1969年に同じく野田昌宏氏の翻訳で立風書房より出版されています)。 奴隷売買される少年が主人公。少年を買った人物の正体は?そして少年の出自は?というどこかで聞いたことがあるようなストーリー。ハインラインはこの作品をジュブナイルと位置づけています。テーマは"市民"。日本では市民というと"一般大衆"みたいな漠然とした集団をイメージしてしまいますが、アメリカのそれとは大きく異なります。"権利とそれに伴う義務"。「宇宙の戦士」同様に、国家とそれに属することによって発生する権利と義務について考えさせられる作品です。
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流れよ我が涙、と警官は言った / フィリップ・K・ディック 友枝康子訳
1974年の作品 原題 : Flow My Tears, The Policeman Said 発表された翌75年にジョン・W・キャンベル記念賞を受賞。ジョン・W・キャンベル記念賞は英語で出版された(ここ厳しい!)長篇SF小説を対象として授与されている文学賞です。ジョン・W・キャンベルはSF雑誌「アスタウンディング・サイエンスフィクション」の編集長をつとめ、SF作品の普及に尽力された方です。 1981年にサンリオSF文庫(友枝康子訳)刊行され、89年にハヤカワから再刊されました。 デザイナーベビーや現在のネットのような概念が登場します。そんなハードSFな世界で"愛"について語られる作品。 ディック作品については、いずれあらためて纏めてまいります。
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捜査 / スタニスワフ・レム 深見 弾訳
原題:Śledztwo 1959年の作品。ハヤカワの初版は78年です。 連続遺体盗難事件を捜査するお話。テーマは理解できない事に直面したときの人間のリアクションでしょうか。 スタニスワフ・レムはポーランドの作家さんです。WW IIを経て東西冷戦下のヨーロッパを生きた方です。人の理解、認識が作品の根底にあるようです。原著のポーランド語の表現が独特で、正確な翻訳が難しかったそうです。アメリカのSF作家協会に噛み付いたりと、真面目な文学者だったようです。
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ソラリスの陽のもとに / スタニスワフ・レム 飯田規和訳
原題:SOLARIS 1961年の作品。ハヤカワでの初版は77年です。 形のあるものとないものの対話を通じて相互理解を考える。 1972年と2002年に映画化されています。
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虎よ、虎よ! / アルフレッド・ベスター著 中田耕治訳
1956年の作品 テレポーテーションと復讐劇。主人公の孤独な闘いが描かれます。60年以上前の作品とは思えないクオリティ。加速装置の設定も面白い。 日本で1958年に講談社から"わが赴くは星の群"(原題:The Stars My Destination)の書名で刊行されましたが、1964年に早川書房から再刊されたときに"虎よ、虎よ!"(原題:Tiger! Tiger!)に改名されました。
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悪徳なんかこわくない / ロバート・A・ハインライン著 矢野徹訳
1971年の作品 "脳移植"と"性転換"がテーマです。ユーモラスなのは、死期の迫った老人が若い女性に生まれ変わるという設定。後のサイバーパンクへ少なからず影響を与えるように思います。
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愛に時間を / ロバート・A・ハインライン著 矢野徹訳
1973年の作品 原題 : Time Enough for Love 1974年にネビュラ賞 長編小説部門とヒューゴー賞 長編小説部門にノミネートされました。ネビュラ賞は、アメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) が主催し、アメリカ合衆国内で刊行された英語で書かれた(この辺が厳しい)SF作品に贈られる文学賞です。 「メトセラの子ら」(1958/ハヤカワ文庫)に登場した、長寿種となり4,000年以上を生きる男、ラザルス・ロングを通して生きることや愛することを考える物語。彼の過去の作品のオマージュっぽい感じもあります。
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