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初版 2017/08/28 17:48

レスポールの薀蓄を少々

1940年代後半、ギブソンはギタリストのレス・ポール氏と新型のソリッドギターの開発にかかります。試行錯誤を繰り返していると、元々音響機器の修理屋さんだったフェンダー社が1950年にソリッドギターのブロードキャスタ(のちにテレキャスター)を発表します。焦ったギブソンは1952年にソリッドボディのレス・ポールシグネーチャーを発表します。この頃はゴールドトップと呼ばれる金色の塗装でピックアップもシングルコイルのP-90が搭載されていました。その後セス・ラバー氏開発の二つのコイルを持つP-490というピックアップを搭載したモデルを1957年に発表します。この頃はまだ杢目を見せるという発想はなかったようですが、翌1958年からサンバーストと呼ばれるシースルーフィニッシュが施されます。バースト塗装は合わせ目の杢目を残し、縁の部分やフレックを塗りつぶすのが目的だったようです。

しかしこのレスポール、実は売れなかったのです。

そして1960年で生産が"終了"してしまいます。翌1961年、現在SGと呼ばれているシェイプのものを新型レスポールとして発売しますがレス・ポール氏がこれに反発し、レスポールモデルが消滅します。結果として1958〜60年製のサンバーストモデルは合計1400数十本しか製造されませんでした。

しかしこのあと意外な再評価を受けます。このギター、ピックアップの出力がシングルより高いため"大きい音"が出ると。

メジャーなところではエリック・クラプトンの参加したブルースブレイカーズ。そのほか当時のブルースロックの連中が飛びついたのでした。60年代後半から70年代にかけて多くのミュージシャンが使い始め多いに脚光を浴びるのでした。そして1968年から再生産が始まります。レスポールに基本"リイシュー"と付くのはこのためです。

結局オリジナルのバーストモデルは少数しか存在しないため非常に高価なもの(上は2000~3000万くらい)となってしまいました。またコレクターズアイテムとして有名な個体が存在し愛称がついているものもあります。

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