みんなのコレクションが集まるミュージアム

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音楽作品

CD、稀にLP。ほぼクラシック音楽。

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    CD バッハ ロ短調ミサ サヴァール

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    CD バッハ ロ短調ミサ ブッダイ

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    CD Bach in Hildesheim

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    CD ジルバーマンオルガンの音

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    CD バッハ クラヴィーア練習曲集第3巻 宮本とも子

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    CD ドイツバロックの鍵盤作品 クラヴィコードによる演奏

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    バッハのフーガの技法 一度の平行カノンつき

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    CD C. P. E. バッハ歌曲集

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    CD モーツァルト グラスハーモニカを含む室内楽集

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    Cor da Baselgia Müstair

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    CD ベートーヴェン ピアノソナタ 30、31、32番 ポリーニの新録音

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    CD シューベルト/ツェルター ゲーテ歌曲集

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    ドビュッシー ペレアスとメリザンド 作曲家本人によるピアノ編曲版

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    ドビュッシー ペレアスとメリザンド ライヴ

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    デルフトのカリヨンCD

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    Le Bal des Animaux

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    CD ショーソン 室内楽作品集

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    CD アルプス交響曲

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    マーラー 交響曲第9番 ノイマン/チェコフィル

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    CD ひまわりの海 セヴラックピアノ作品集 舘野泉

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    CD セヴラックオルガン作品集

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    CD 抒情のピアニスト井上直幸

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    CD ドイツ・ロマン派のピアノ音楽

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    2001年 井上直幸 ディアベッリ変奏曲

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    CD 象さんの子守歌

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    LP ブランデンブルク協奏曲 レオンハルト(SEON盤)

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    新ヴィーン楽派の室内楽全集

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    LP ドイツ子供の歌

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    ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調 『田園』

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    シューベルト 交響曲第8番 ロ短調 『未完成』

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    CD バッハ ロ短調ミサ サヴァール

    Johann Sebastian Bach
    Messe en Si Mineur BWV 232
    C. Scheen, Y. Arias, P. Bertin, M. Sakurada, S. Macleod
    La Capella Reial de Catalunya
    Le Concert des Nations
    Jordi Savall

    サヴァールが主宰する音楽祭で演奏したバッハの『ロ短調ミサ』のライヴでCD(DSD)とDVDが収録されている。
    この演奏はAmazonをはじめ、ネット上にいくつかレビューがのっているが、その全てが重要なところで触れていないことがある。

    音楽祭の会場であるナルボンヌ近郊のフォンフロワド修道院聖堂で、2011年に録音された。

    11世紀末にベネディクト会が修道院を現在のフォンフロワドに創設したが、12世紀に入りシトー会傘下となった。修道院まるごとの移籍はシトー会のなかで珍しい。修道院の中心である聖堂は、ロマネスク様式であるがシトー会の様式で建てられた。

    シトー会はそれまでの修道会が豪華華美の方向に流れたことへの反省から設立された、清貧を強調した修道会で、いわゆるシトー会精神は聖堂建築にも反映された。また、典礼に欠かせない聖歌も、既にポリフォニーが登場して華麗なものになっていく中、原初の純粋さ(というものは実際なかったが)に再び戻ろうと、単旋律の聖歌が中心となった。

    聖堂建築には、シトー会精神に従って装飾を一切排し、彫刻や絵画で飾ることを拒絶した。また、単旋律聖歌の特徴を引き出すため聖堂空間に石造トンネルヴォールトを採用した結果、当時の他の聖堂と比べて残響音が長く、素直に減衰していく音響空間となった。現在のコンサートホールの残響音は2秒程度、オペラ劇場の場合はもう少し短い。2.5秒もあると長いとされる。

    フォンフロワド修道院聖堂はシトー会聖堂のなかでも残響音は特に長く11秒ある。この空間で聖歌をソロで歌うと、残響音が追いかけてきて一度の平行カノンができるくらいで、テンポは聖堂空間に従うことになる。

    このような空間で18世紀のミサを何も考えずに演奏すると、残響音と重なって音が混濁する事態になるのは容易にわかる。

    DVDや解説の写真をみると、演奏者はアプシス側に寄せられ、独唱者はアプシス内に配置されている。ここでもシトー会独特の内部空間があり、当時の聖堂と比較してアプシスは小さく、その前方にあるトランセプトは長大である。演奏者の配置が悪いと、身廊側に音が伸びず、トランセプトに吸収されることもあり得る。

    サヴァールは混濁を避けるため、このような配置をしたものと思うが、その結果としての演奏は素晴らしく、フォンフロワドの特殊な音響条件を生かした録音となっている。

    ナルボンヌから南はかつてスペイン領で、カタロニアの一部だった。文化的にカタロニアと親近性があり、サヴァールもこの場所での音楽祭を企画したものと思う。

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    • 登録日:2021/10/16

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    CD バッハ ロ短調ミサ ブッダイ

    J.S. Bach: Messe in h-Moll
    Jürgen Budday
    Maulbronner Kammerchor / Hannoversche Hofkapelle
    Soprano: Joanne Lunn; Mezzo-soprano: Ursula Eittinger; Tenor: Marcus Ullmann; Bass: Gotthold Schwarz
    Sep 27-28, 2008
    Recorded in concert at the UNESCO World Heritage Site Maulbronn Monastery, Germany.

    ドイツのマウルブロン修道院はシトー会が創設した。修道院附属学校は有名でケプラーやヘッセ(脱走したが)がここで学んでいる。

    現在は世界遺産に登録され、聖堂を会場に毎年音楽祭が開かれている。
    『ロ短調ミサ』を指揮するユルゲン・ブッダイは音楽祭芸術監督で、聖堂の音響も知り抜いている。マウルブロンのシトー会聖堂としての特殊な音響空間はフォンフロワドほどでなくても、十分個性的なものになっているが、サヴァールの演奏と比較してみると、同じシトー会でもやや違ったものとなっている(録音方法の違いが大きいかもしれない)。

    モダン楽器を使った伝統的で堅実な演奏。

    K&Kは出版社であるが、マウルブロン音楽祭のCDをリリースしていて、ヘンデルのオラトリオツィクルスや室内楽、ピアノリサイタルなどの演奏を出していた。

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    • 登録日:2021/10/16

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    CD Bach in Hildesheim

    アメリカの高音質録音で知られたTELARC(『1812年』のLPが有名)が、ヨーロッパでオルガンの録音に挑んだアルバム。選ばれたのは北ヨーロッパ最大といわれるヒルデスハイムのザンクト・アンドレアス教会のオルガンで演奏はミヒャエル・ムーレー。

    実際にこの教会のオルガンを聴いたことがあるが、高い位置に据え付けられていて聖堂空間全体が響くのに混濁が感じられない素晴らしい音だった。

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    • 登録日:2021/10/16

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    CD ジルバーマンオルガンの音

    オルガンといえばバッハ、バッハが信頼したオルガン製作家ジルバーマンが製作したオルガンは今もヨーロッパ各地にのこっている。

    そのうちの一つがアルザスにある。ストラスブールから電車で1時間弱(ただし最寄駅からは6kmある)、マルムーティエの旧修道院聖堂のオルガン。

    ヴァルヒャに次いで2番目にバッハのオルガン全集を完成(ヴァルヒャにない作品も)させたミシェル・シャピュイ(2017年に亡くなられた)による演奏。

    シャピュイは何度か来日もしているが、実際に聴いたのは南仏のルネサンス時代のオルガンを弾いたコンサートだった。

    CDは併設のオルガンと管楽器の博物館自主制作なので流通していない。バッハを含むバロック時代の作曲家の作品が収録されている。

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    • 登録日:2021/10/16

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    CD バッハ クラヴィーア練習曲集第3巻 宮本とも子

    「クラヴィーア」は鍵盤楽器の総称でオルガンもチェンバロもピアノ(バッハの頃はフォルテピアノ)も含まれている。バッハは自身の鍵盤作品の中から選んで「練習曲集」としてまとめて出版した。

    全部で4巻で構成は次のようになる。

    第1巻 パルティータ BWV825‐830
    第2巻 フランス風序曲 BWV831 · イタリア協奏曲 BWV971
    第3巻 前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552、コラール前奏曲 BWV669‐689、デュエット BWV802‐805
    第4巻 ゴルゴベルク変奏曲

    第3巻のみオルガンを前提とした作品で、コラール旋律をもとにしているので『ドイツ・オルガンミサ』とも呼ばれている。バッハのオルガン曲中最も華麗で複雑な対位法の作品が多く占めている。

    ヴァルヒャやシャピュイのアルバム(当時はLP)以降、少なくない録音が出ている。

    宮本とも子さんは、フェリス女子学院大学のオルガン科教授を勤め、退官のタイミングでこの曲集をフェリスホールの大オルガンで録音された。

    従来の録音と違う点は、演奏にあたりオルガン科の生徒がふいごを担当していることである。バッハの時代は当然ふいごは人力であったが(古代ギリシアでは水力を使っていた)、20世紀以降は電動モーターによる送風となった。人件費が省けるメリットはあるが、鍵盤やレジスターだけではできない微妙な音楽表現を、オルガンをよく知る人がふいごを担当すれば可能になる。

    ちょうど、宮本さんの退官記念コンサートをフェリスホールで、この曲集の最も大規模な『前奏曲とフーガ』BWV552を、生徒のふいごで聴く機会があった(2枚目の画像)。変ホ長調という調性にふさわしく、モーター送風にはない手作り感によるニュアンスに富んだ演奏だった。

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    • 登録日:2021/10/16

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    CD ドイツバロックの鍵盤作品 クラヴィコードによる演奏

    『アルプス交響曲』で、スケールの大きさから録音が難しいと書いたけれど、見かけスケールが大きくなくても難しいと思うのが、鍵盤楽器クラヴィコードを相手にした録音ではないかと思う。

    これまで何枚もCDを聴いてまともにクラヴィコードの音が入っているものはなく(LPではあるのだろうか)、その中ではこのCDが最もクラヴィコードのニュアンスが出ている。

    演奏するジグルン・シュテファンで日本で全く知られていないが、バッハの生まれたアイゼナッハ出身の鍵盤楽器奏者。演奏に使用した楽器はジルバーマン製作のレプリカ。

    Kinship
    J. A. REincken, J. S. Bach, W. F. Bach, C. P. E. Bach, & J. G. Müthel
    Sigrun Stephan
    Aufnahme: 2017
    Clavichord: after Silbermann, Strassburg 1775

    クラヴィコードについて
    https://muuseo.com/comice74_pirvs/diaries/34

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    • 登録日:2021/10/16

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    バッハのフーガの技法 一度の平行カノンつき

    Die Kunst der Fuge, BWV 1080
    Ensemble de Cuivres Pascal Vigneron, Pascal Vigneron, Jean Galard
    Enregistre a Saint Bertrand de Comminges du 22-28 Septembre 2008
    Quantum QM 7035 (2CD)

    フーガ芸術の集大成、バッハの『フーガの技法』は楽譜上で楽器の指定がないので、様々な楽器で演奏されてきた。このCDでは、ブラスアンサンブルとオルガンで演奏される。

    録音はピレネー山脈の麓にあるサン・ベルトラン・ド・コマンジュの丘のうえに建つ大聖堂。この大聖堂はロマネスクの城砦塔とゴシックの身廊からなり、ゴシック部分は後の教皇でアヴィニヨンに最初に教皇庁を移したクレメンス5世(このためダンテにより地獄に落とされた)による。内部はいわゆるホール型(ライプツィヒのトーマスキルヒェと同じ)で音響に優れ、残響も長い。備え付けられたオルガンはルネサンス時代に製作された。

    CD2枚組を収めるデジパックケースは、見開きを利用してピレネーのパノラマを配している。CDを発売したのは、Quantumというレーベルであるが詳細は不明。

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    • 登録日:2021/8/20

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    CD C. P. E. バッハ歌曲集

    カール・フィリップ・エマニュエル・バッハは大バッハの次男で、バッハの子供たちのなかでは最も活躍した。鍵盤楽器の作品を多く作曲、その他の分野の作品もあるが、録音は圧倒的に鍵盤楽器(チェンバロ)が多い。

    そのなかでたいへん珍しい歌曲集のCD。歌っているのはこれまで聖歌の録音が多かったエルヴェ・ラミー、伴奏はセバスチャン・アマデューというすごい名前の人(アマデューをラテン語読みするとアマデウス)。途中にチェンバロのソナタを挟んでいる。

    CPEバッハが活躍した時代はバロックから古典派に移る時期(Strum und Drung)であり、バロック的なものからモーツァルトに近いものまでさまざま。Der Tag des Weltgerichts はロマン派の響きすらある。

    録音はフランスのナルボンヌ郊外にあるフォンフロワド修道院とあるが、残響が長くないので聖堂ではなく修道院内の別の場所かもしれない。

    Psalmusレーベルはフランスの歴史的な建築で、フランス中世の宗教音楽を中心に超優秀な録音を出している。

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    • 登録日:2021/10/16

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    CD モーツァルト グラスハーモニカを含む室内楽集

    池袋東武にあったHMWでこのCDをみつけた。
    カヴァー写真からはモーツァルトはわかっても何の作品か全くわからない。デザインも輸入盤で今ひとつ。いつもなら見ることもせずに終わるところだった。

    気になったのはこのカヴァー写真の建物のシルエット、一目でベルギーのソワニーという町にあるサン・ヴァンサン教会とわかった。初期ロマネスクの大建築で、ジル・バンショワがここの楽長を勤めたことがある。

    そこで裏面の情報欄をみることにした。まず作品(フランス語表記)、
    K299 Concerto pour flûte et harpe
    K617 Adagio et rondo pour orgue de verre
    K370 Quatuor pour hautbois et trio a cordes

    滅多に演奏(録音)されない『グラスハーモニカのためのアダージョとロンド』が含まれている。しかもグラスハーモニカを演奏しているのは、デニス・ジェームズ、この楽器の専門家である。

    これだけで「買い」であるけれど、更に期待して情報欄を確認していく、録音について。
    Eglise Collegioale Saint Vincent de Soignies (Live, 1999)

    やはりカヴァーに写されたシルエットの教会でのライヴ録音だった。グラスハーモニカだったら、残響の長いロマネスク聖堂との相性は良いはず。

    レーベルは自主製作らしく、この機会を逃したら入手できそうもない(実際そうだった)。
    これだけの情報が揃ったら、あとは買うしかないということで入手した。

    グラスハーモニカは「天上の音」に喩えられた楽器で、モーツァルトの作品はグラスハーモニカ演奏家のために作曲された。ケッヘル番号からわかるように最晩年(とはいっても40歳に満たない)の作品で、この時期の作品は『アヴェ・ヴェルム・コルプス』や、『クラリネット協奏曲』(特に第2楽章)と共通した超地上的な響きをもつ。このような性格の作品は世俗作品にも関わらず、神聖な空間で、それもゴシックよりも前の空間で演奏されるのが望ましく、このアルバムはそれらの条件が偶然にも揃った希少な例である。

    画像2枚目はブリュッセルの楽器博物館にあるグラスハーモニカ
    画像3、4枚目は録音場所、ソワニーのサン・ヴァンサン教会

    https://muuseo.com/comice74_pirvs/diaries/37

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    • 登録日:3 days ago

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    Cor da Baselgia Müstair

    Cor da Baselgia Müstair
    Chanzuns Sacralas e Profanas

    ミュスタイア聖堂合唱曲
    聖歌と世俗の歌

    イタリア国境まで歩いて10分というスイスのはしっこにある1200年以上続く聖ヨハネ女子修道院に本拠地を置く合唱団の演奏。ミュスタイア教会合唱団 Kirchenchor Müstairは修道士ではなく、近隣の住民たちがメンバーで1973年に設立、現在も活動している。

    CDに収録された聖歌はカトリックの讃歌なのでラテン語、世俗の歌はスイス第4の公用語レトロマンシュ語で歌われる。

    録音は聖ヨハネ修道院聖堂、アーヘンの宮廷礼拝堂に次ぐ、大規模なカロリング建築と同時代最大の壁画群で知られ、スイスでは真っ先に世界遺産に登録された。

    収録曲の中ではモーツァルトの Ave Verum Corpus (K 617)が素晴らしい。原曲と違ってオルガンが伴奏しているが、作曲の経緯からみて最も雰囲気が近い。

    CDは流通していないので、入手は現地に行くしかない。音質は悪いがYou Tubeにもアップロードされている。

    https://muuseo.com/comice74_pirvs/items/60

    コイン 20SFR スイス
    国内外含めて記念コインで唯一所有しているのがこれ。 デザインされている建築は、イタリア国境に近いミュスタイアにある聖ヨハネ修道院。 CLAUSTRA DA MÜSTAIRは、「ミュスタイアの修道院」、レトロマンシュ語。 カール大帝により設立されたと伝えられ、20世紀になって9世紀に描かれた壁画が漆喰の下から発見された。この時代の壁画としては大規模で類例がなく、そのため世界遺産に登録された。 額面表記側は聖堂の平面図、六つあるドットのようなものは柱でゴシック時代に追加された。 1スイスフランは当時80円程度だったのが、数年前に100円に切り替えられ、今は119円になっている。 Helvetiaはスイスの古名。 素材は白銅、同じデザインで銀貨もある。
    https://muuseo.com/comice74_pirvs/items/60

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    • 登録日:2021/8/28

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    CD ベートーヴェン ピアノソナタ 30、31、32番 ポリーニの新録音

    1975年に録音されたベートーヴェンの後期ピアノソナタ(30、31)から始まり、40年近くかけて全集を完成させたポリーニは、2019年に31〜32番を再録音した。

    旧録音が登場したとき、あまりの完璧さと圧倒的な演奏に長らく同作品の代表的録音とされてきた。

    初めて旧録音を聴いた時、完璧さはよくわかったが、余裕がないというかどこか雰囲気に欠けるところがあり、あまり好きになれなかった。基本的にはポリーニの演奏を嫌いではないので、いずれ再録音するのではないかと当時から期待していた。

    その後、実演でいくつか聴いたりしたが、特にYou Tubeで聴いた32番の2楽章は旧録音から随分隔たった演奏で期待が持て、2019年にいよいよ再録音が発売された。
    旧録音とすぐわかる違いがいくつかある。録音が倍音を多く取り入れていること(間接音が多くなった)。

    第31番がわかりやすい。第3楽章では一度の奇妙な強弱がある箇所は、最近の研究でクラヴィコードのベーブングを模していて(これは解説による)、その解釈を採用している。
    同曲のフーガの中間部分、鐘の音のような繰り返しで後半のフーガが始まるが、はっきりと鐘の音をフーガのテーマの途中まで響かせている(他のピアニストはテーマの開始と共に鐘の音を止める。ポリーニのような解釈はこれまで聴いたなかでは一人しか演奏していない)。

    第32番、かなり早めのテンポで第1楽章を駆け抜ける。第2楽章アリエッタ、冒頭から豊かな倍音がよく聴こえ、三重トリルからコーダにかけてはこの世の音楽でないように聴こえる。

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    • 登録日:2021/10/14

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    CD シューベルト/ツェルター ゲーテ歌曲集

    ツェルターは大工から楽器製作家を経て作曲家になったという変わった経歴の人で、ゲーテからは音楽に関して絶大な信頼をされていた。一方のシューベルトはゲーテの大いに尊敬していてゲーテの多くの詩に作曲した。それらをゲーテに送ったが返事はなかった(ついでにベルリオーズも『ファウストの劫罰』を送ったが返事なし)。

    このアルバムは2枚組で、ゲーテゆかりの二人の作曲家、CD1にツェルター、CD2にシューベルトの歌曲を収録している。録音はヴァイマールのゲーテの家のユノーの間で行われた。

    伴奏のフォルテピアノ(現在のピアノの前身、大きな違いは鍵盤数が少ないこと、鋼鉄フレームでないこと、平行弦であること)はゲーテが購入したフォルテピアノで、ベートーヴェンにも信頼されたピアノ製作家ナンネッテ・シュトライヒャー、1821年製である。ナンネッテとは10代の頃からの知り合いで、イギリスから運ばれたブロードウッドのフォルテピアノもナンネッテのところで調律してからベートーヴェンの家に持ち込まれるなど、互いに影響しあっていた。

    同年9月にゲーテの家に到着したこのピアノは早速滞在していた11歳のメンデルスゾーンがゲーテの前で弾いた。おそらくこのときにベートーヴェンの『第5』を弾いてゲーテに「家が壊れる」と言われた。その後、同じくゲーテの前で弾いたのがクララ・ヴィーク、後にシューマンと結婚する。

    このフォルテピアノをホルトマイヤーが弾きテノール歌手ハンス・イェルク・マンメルが歌う。

    今年はこのフォルテピアノが誕生して200年になる。

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    • 登録日:2021/11/21

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    ドビュッシー ペレアスとメリザンド 作曲家本人によるピアノ編曲版

    ドビュッシーが完成させた唯一のオペラ『ペレアスとメリザンド』は、素晴らしい作品でありながら録音される機会が少ない。そのピアノ伴奏版といったら、このCDがいまだ唯一である。

    ドビュッシーはオペラの作曲にあたり、まずピアノ版を作曲し、次いでオーケストラ版を作曲した。オーケストラ版は初演間近になって、舞台転換のための時間が足りないことがわかり急遽追加されたが、時間的余裕がないため、作曲家が批判的だったヴァーグナー風のモティーフ展開に頼るしかなかった。
    ピアノ版はその前に完成しているので、追加なしのオリジナル状態で聴くことができ、その点でも貴重。
    ピエール・ジュールダン指揮、ピアノはアルフレード・コルトー所有のプレイエル製を使用している。
    HMVにあるのを見つけて購入したが、AMAZONでも出てこない。

    #クラシック音楽

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    • 登録日:2021/8/29

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    ドビュッシー ペレアスとメリザンド ライヴ

    今から約60年前、作曲家生誕100年のライヴ、意外と録音は良いが何よりも今日のオーケストラからは出せない音をたっぷりと聴くことができる。特に木管楽器は楽器が違うのかと思うほど。
    指揮するアンゲルブレシュトはドビュッシーゾンメイジに『聖セバスチャンの殉教』を初演した。
    Disque Montaigneの初出盤。

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    • 登録日:2021/8/30

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    デルフトのカリヨンCD

    オランダの画家フェルメールは日本でも人気で、来年はドレスデン国立美術館の作品が都立美術館で展示される予定という。

    フェルメールはオランダの首都デン・ハーグから電車だと10分程のデルフトに生まれ、数度の旅行の他故郷から離れなかった。唯一の都市景観図『デルフトの眺望』は、いまだ来日なく(おそらくない)、マウリッツハイス美術館でみるしかない。画中最も目立つのが中央にある塔で新教会、作品制作時は塔の最上層はまだなかった。

    フェルメールの描いた作品には音楽に関係したものが多い。楽器も多く描かれていて、アントヴェルペンのリュッカース製(チェンバロのストラディバリウスと言われている)とわかるものもある。研究者やファンが楽器リストを作ったとして、まず見落とす楽器がカリヨンである。

    このCDは1996年に市制750年を迎えたデルフト市が記念に制作したもので、新教会のカリヨンを使った演奏が収録されている。フェルメールの存命中の鐘を含めた40個あまり(規模としては大きい)の鐘で奏でられる。

    フランドル〜低地地方のカリヨンは時報など定型的なものは自動(巨大なオルゴールの構造)で演奏するようになっているが、演奏家が楽曲を演奏できるようにもなっている。

    なお、カヴァー写真は修復前の状態。当時大規模な修復を行い、完了後すぐにワシントンDCの展覧会に送ったので、撮影の余裕がなかったのかもしれない。

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    • 登録日:2021/9/3

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    Le Bal des Animaux

    動物たちが主人公のフランス歌曲集。
    クラシック系ではとても珍しいスリーブデザインで思わず買ってしまった。
    中を見るとさらに驚き、歌詞カードが連続したデザインになっている。
    フランスで人気のイラストレーター、Jacques Guilletによる。

    収録作品の中で最も気に入っているのはシャブリエの『太った七面鳥のバラード』。
    七面鳥のことはフランス語でDindon(ダンドン)と書くが、ちょうど鐘の響きと同じ綴りで、ヨタヨタ歩く七面鳥の群れに鐘の音が重なる。間奏部分にはなぜか『ドン・ジョヴァンニ』のセレナーデが聞こえてくる、謎のような楽しい作品。

    Les gros dindons
    Les gros dindons,à travers champs,
    D'un pas sollennel et tranquille,
    Par les matins,par les couchants,
    Bêtement marchent à la file,
    Devant la pastoure qui file,
    En fredonnant de vieux fredons,
    Vont en procession docile
    Les gros dindons!

    Ils vous ont l'air de gros marchands
    Remplis d'une morgue imbécile,
    De baillis rogues et méchants
    Vous regardant d'un oeil hostile;
    Leur rouge pendeloque oscille;
    Ils semblent,parmi les chardons,
    Gravement tenir un concile,
    Les gros dindons!

    N'ayant jamais trouvé touchants
    Les sons que le rossignol file,
    Ils suivent,lourds et trébuchants,
    L'un d'eux,digne comme un édile;
    Et,lorsqu'au lointain campanile
    L'angelus fait ses lens din! dons!
    Ils regagnent leur domicile,
    Les gros dindons!

    Prud' hommes gras,leurs seuls penchants
    Sont vers le pratique et l'utile,
    Pour eux,l'amour et les doux chants
    Sont un passetemps trop futile;
    Bourgeois de la gent volatile,
    Arrondissant de noirs bedons,
    Ils se fichent de toute idylle,
    Les gros dindons!

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    • 登録日:2021/10/1

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    CD ショーソン 室内楽作品集

    フランスの作曲家エルネスト・ショーソンの珍しい室内楽作品集。
    収録作品
    詩曲(Op. 25)
    ピアノ三重奏曲(Op. 3)
    アンダンテとアレグロ(作品番号なし)
    小品(Op. 39)

    『詩曲』の室内楽?、ショーソンの代表作で通常演奏される『詩曲』はオーケストラとヴァイオリンのための作品で1896年4月4日に初演されたが、ショーソン本人により室内楽版が作曲されていた。最近まで知られてなくて再発見された直後に録音されたのがこのCDである。作曲者による編曲はピアノ版もあるらしい。いまのところ本CDが室内楽版唯一の演奏のようである。

    『ピアノ三重奏曲』は、ショーソンが法律から音楽に道を変えた頃の作品で、スイスに滞在して作曲した。完成直前、既に親しかった画家ルドンのいるボルドーまでわざわざ出かけていき、一緒に試演しながら完成させた。ルドンはヴァイオリンとピアノ演奏に優れ、どちらもショーソンは文句なしにその技量を認めている。

    演奏はパスカル・ドゥヴァイヨンのピアノ、フィリップ・グラフィンのヴァイオリン、ゲイリー・ホフマンとチリンギリアン弦楽四重奏団と現在大活躍している演奏家の比較的若い頃の録音。

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    • 登録日:2021/10/2

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    CD アルプス交響曲

    リヒャルト・シュトラウスの『アルプス交響曲』 Eine Alpensymphonie Op. 64 は、スケールが大きく一般受けがするので、ナチス政府も「ゲルマン的」と大推薦した作品だった。

    スケールの大きさのため、アナログ時代(1980年まで)はなかなか録音に恵まれなかったが、モノラル時代には既に作曲家自作自演、愛弟子ベームの録音があり、ムラヴィンスキーの録音もあった。ステレオになると意外と少なく、ケンぺ/ドレスデンが70年代に録音しているのが最近復刻されている。

    カラヤンがなかなか録音しなかったのは、録音技術が作品内容に追いついていなかったためではないかと言われていたが、CD時代の1981年になってついに録音を行った。

    先に発売されたのはLPで、2800円だったと記憶している。CBS SONYなどに比べて慎重だったDGGがようやくCDで発売したのはかなり後になって(85年くらい)からだった。このCDは最初に発売された(400 039-2)。
    数は少ないが中古で入手できないこともない。

    当時は西独原盤を日本語解説なしで輸入販売する形で売られ、価格は輸入関税のため3800円とかなり高かった。消費税導入時に輸入関税が見直されたとき、チーズやCDは非課税となってかなり安くなった。

    カラヤンの『アルプス交響曲』は何度か再発売され、その都度音の処理が変わっている。最もわかりやすいのは、バンダ(舞台裏などに配置する別働オーケストラ)の扱いで、別録音しているらしく、最初期の本CDでは舞台上で聴こえてくる(スコアをみると舞台裏の指示なので違和感があった)が、後には舞台裏から聴こえるように処理されて発売された。

    CD(LPも)のカヴァー写真はマッターホルンだが(他のCDもたいていユングフラウかマッターホルンの写真)、作曲家本人が登ったのは自宅に近いツークシュピッツェ付近のみで、作品の「日の出から夕方の下山」というコンセプトからしても、日帰りできる範囲であることがわかる。

    初めてCDで聴いたときにはダイナミックレンジの広さに驚いたが、今から聴くといわゆる「デジタル臭さ」が感じられる。カラヤンの指揮もあまり好きではなく、この作品のベストはケンぺ/ドレスデン(音さえ良ければムラヴィンスキー)だと思っている。

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    • 登録日:2021/9/20

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    マーラー 交響曲第9番 ノイマン/チェコフィル

    ノイマンはこの作品を録音して5日目に亡くなられた。
    実演を聴けたのは一度だけ、ちょうど30年前のチェコフィルが来日したときだった。
    このときはクーベリックの『我が祖国』が話題だったが、ノイマン指揮のドヴォルザーク『第8』もよかった。

    CDの初回特典にノイマンの生写真がついていた(アイドル?)。おそらく亡くなる直前と思われる写真をみると、ギレリスのベートーヴェンのソナタのカヴァー写真(やはり亡くなる直前だった)を思い出してしまう。

    以前はマーラーの作品はよく聴き、シノーポリやベルティーニの全曲ツィクルスも聴いたが、最近はめっきり聴かなくなってしまった。

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    • 登録日:2021/9/29

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    CD ひまわりの海 セヴラックピアノ作品集 舘野泉

    今は「左手の」ピアニストとして知られる舘野泉さんが「両手で」最後に出したアルバムだったと思う。
    セヴラックは南仏の作曲家で長いこと忘れられていたが舘野さんの努力もあって、徐々に再評価が進み演奏されるようになってきた。今年が没後100年で来年は生誕150年を迎える。

    アルバムのブックレットは舘野さんの文と写真で、セヴラックの故郷や生家のことが書かれている。

    収録作品はセヴラックのピアノ作品のほとんど(大作の『夾竹桃のもとで』が入っていないのが残念)、最初のピアノ曲集『大地の歌』の『種まき』や、『セルダーニャ』の『リビアのキリスト像の前のラバ引きたち』がとてもすばらしい。

    「ひまわりの海」は後に同じ名前でエッセイも出たが、セヴラックの故郷に広がるひまわり畑からとられた。

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    • 登録日:2021/10/16

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    CD セヴラックオルガン作品集

    フランスの作曲家デオダ・ド・セヴラックのオルガン作品集。

    カヴァーに使われている写真はトゥルーズとカルカソンヌの中間にあるサン・フェリックスという町の教会にあるオルガンで、フランス革命が始まる直前に完成した。
    実は、このオルガンで演奏した録音ではなく、リヨンの教会で録音されている。それにも関わらず一見関係のないオルガンの写真が使われているのは、セヴラックの生まれた村のオルガン(生家から150m)で、オルガニストだった母親から音楽の最初の手解きを受けたのが、このオルガンだった。

    実際の演奏に使用しているのはリヨンの教会にあるカヴァイエ・コル制作のオルガン。

    セヴラックはスコラ・カントゥルムの学生時代に課題作としていくつかオルガン作品を作曲した。教会とのつながりが深い楽器なので、いずれもグレゴリオ聖歌のテーマをもとにしている。このアルバムでは、もとになったグレゴリオ聖歌の合唱も一緒に収録されている。

    このCDをめぐっては、もう一つ不可解な現象が起きている。発売されて少し経った頃、Amazonで中古品が出品されていたが、700万円という値段が付けられていた。Amazonではけっこう頻繁に理不尽な価格のついた商品が売られているが、このCDはお店で定価で買えるしなんの特典もないから不思議であった。

    CD、ブックレット日本仕様(解説は最近亡くなられた濱田滋郎さん)。

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    • 登録日:2021/10/30

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    CD 抒情のピアニスト井上直幸

    2003年に急逝されたピアニスト、井上直幸さんの追悼アルバムで初期の録音(1972ー1976)を収録している。
    4枚組のCDは、バッハからシェーンベルクまでのドイツの作品と、一部室内楽の伴奏を含んでいる。1曲だけ日本人作曲家の作品(平尾貴四男、ピアノソナタ)も入っている。

    日本人では舘野泉さんと並んで好きなピアニスト。

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    • 登録日:2021/10/2

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    CD ドイツ・ロマン派のピアノ音楽

    井上直幸さんの演奏を初めて聴いたのがこのCDだった。
    長らく教育(TV出演も含む)に携わられ、演奏活動を再開されて積極的にCDを発表されていた。
    このアルバムは、ブルーノ・ワルターとヘルマン・ヘッセの墓所となっているスイスの教会で録音、ピアノはヘリコプターで教会まで運んだという。

    初夏の録音のせいか、ピアノ演奏のあいまに鳥の囀り声が聞こえてくる。あえて教会の扉を開けて録音したものと思われる。

    2枚組でCD1はメンデルスゾーンとブラームス、メンデルスゾーンの最初の1曲だけで教会と外の雰囲気がありありと思い浮かぶような演奏。CD2はシューマンの『クライスレリアーナ』を中心とした作品で『クライスレリアーナ』がとても素晴らしい。

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    • 登録日:2021/10/2

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    2001年 井上直幸 ディアベッリ変奏曲

    晩年のベートーヴェンが二つの大作『ミサ・ソレムニス』と『第九』を作曲していた頃、ヴィーンの音楽出版者アントン・ディアベッリが同地在住の作曲家に自作のワルツの変奏曲を依頼し、一つのアルバムとして売り出す企画をたてた。当然ベートーヴェンにも依頼が来たが、ディアベッリ作曲のワルツを見るなりその陳腐さにバカにして、それきりとなった……はずであった。

    何を思ったのかベートーヴェンは、このワルツをちょっといじってみた。途端に変奏曲が次から次へと生まれ出し、ついには33曲の変奏曲となった。ディアベッリもこれには驚き、結局先のアルバムとは別枠で独立して出版することになった。

    この巨大な変奏曲をロラン・バルトは『失われた時を求めて』になぞらえたが、ながらく演奏不可能な作品と見られていた。録音されるようになったのは20世紀後半からである。ポリーニの演奏を来日したときに聴いたが、演奏終了後放心状態となって、舞台下から花束を渡そうとする人にも気がつかない状態にさせたほどの難曲である。それにも関わらず演奏家にとって魅力のある作品で、内田光子は「この曲を弾かずに死ねるか」と、対談のなかで述べている。

    「ドイツ・ロマン派のピアノ音楽」に続いてリリースされたのが、この『ディアベッリ変奏曲』だった。井上直幸も内田光子と同じ思いだったに違いない。そう思うのは、このアルバムの最後に収録された(普通はディアベッリ変奏曲のみを収録する)のがモーツァルトの『グラスハーモニカのためのアダージョ』を聴いたからで、この天上からのメッセージのような作品をとてもゆっくりと弾いている。井上直幸は2003年に亡くなるが、この頃既に余命のないことに気がついていた。「弾かずに死ねるか」の変奏曲のあとにまるで遺言のように『アダージョ』をおいた。

    このアルバムが最後のCDとなった。

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    • 登録日:2021/11/14

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    CD 象さんの子守歌

    (CD ディアベッリ変奏曲から続く)
    https://muuseo.com/comice74_pirvs/items/405

    『ディアベッリ変奏曲』に、モーツァルトのグラスハーモニカのための『アダージョ』の組み合わせが最後の録音になるはずだった。

    転機が訪れる。初孫が生まれ、新たな生命の誕生が再び録音へと駆り立てた。しかし残された時間はほとんどない。このため、子供のためのアルバムを自宅で録音することになった。曲目はモーツァルト初めての作品やバッハの『アンナ・マグダレーナのための音楽手帳』に収録されたメヌエット、シューベルトのやさしい曲、シューマンからは『子供のためのアルバム』からは10曲が選ばれた。CDのタイトルになっている『象さんの子守歌』はドビュッシーの『子供の領分』から。

    全28曲、約40分ほどの最上の作品をのこして2ヶ月後、井上直幸さんは亡くなられた。

    2001年 井上直幸 ディアベッリ変奏曲
    晩年のベートーヴェンが二つの大作『ミサ・ソレムニス』と『第九』を作曲していた頃、ヴィーンの音楽出版者アントン・ディアベッリが同地在住の作曲家に自作のワルツの変奏曲を依頼し、一つのアルバムとして売り出す企画をたてた。当然ベートーヴェンにも依頼が来たが、ディアベッリ作曲のワルツを見るなりその陳腐さにバカにして、それきりとなった……はずであった。 何を思ったのかベートーヴェンは、このワルツをちょっといじってみた。途端に変奏曲が次から次へと生まれ出し、ついには33曲の変奏曲となった。ディアベッリもこれには驚き、結局先のアルバムとは別枠で独立して出版することになった。 この巨大な変奏曲をロラン・バルトは『失われた時を求めて』になぞらえたが、ながらく演奏不可能な作品と見られていた。録音されるようになったのは20世紀後半からである。ポリーニの演奏を来日したときに聴いたが、演奏終了後放心状態となって、舞台下から花束を渡そうとする人にも気がつかない状態にさせたほどの難曲である。それにも関わらず演奏家にとって魅力のある作品で、内田光子は「この曲を弾かずに死ねるか」と、対談のなかで述べている。 「ドイツ・ロマン派のピアノ音楽」に続いてリリースされたのが、この『ディアベッリ変奏曲』だった。井上直幸も内田光子と同じ思いだったに違いない。そう思うのは、このアルバムの最後に収録された(普通はディアベッリ変奏曲のみを収録する)のがモーツァルトの『グラスハーモニカのためのアダージョ』を聴いたからで、この天上からのメッセージのような作品をとてもゆっくりと弾いている。井上直幸は2003年に亡くなるが、この頃既に余命のないことに気がついていた。「弾かずに死ねるか」の変奏曲のあとにまるで遺言のように『アダージョ』をおいた。 このアルバムが最後のCDとなった。
    https://muuseo.com/comice74_pirvs/items/405

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    LP ブランデンブルク協奏曲 レオンハルト(SEON盤)

    古楽専門のレーベルであるセオンが国内初登場したのは1970年後半でポリドールを通じてだった。現在はSONYから売られている。

    初登場記念のアルバムは、ブランデンブルク協奏曲のファクシミリがついた豪華なもの。当時イ・ムジチの『四季』(ヴィヴァルディ)で、楽譜のついたLPがあったのが唯一だった。値段も当時のクラシックLP2枚組は5200円だったから、それより高めに設定されている。

    演奏はレオンハルトやクイケン兄弟、ブリュッヘン、ビルスマといった巨匠クラス(といっても当時は若かった)により、オランダの城館で録音された。今でも同協奏曲集の代表的な録音とされている。

    古楽器の演奏も当時はモダン楽器がほとんどだったから、奏法もあわせて衝撃的だった。特に自然倍音をつかったトランペットやホルンは印象的だった。

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    • 登録日:2021/10/2

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    新ヴィーン楽派の室内楽全集

    ラサール弦楽四重奏団による新ヴィーン楽派(シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン)の室内楽曲全集、LP4枚組(CD化されたときは3枚組)。他のLPと違うのは解説書がLPサイズではなく独立している点で、実際単独で書籍として売り出されたという。

    当時まだ新ヴィーン楽派の作品のLPは少なく(カラヤンの管弦楽曲集は出ていたかもしれない)、情報もないなかでとても充実した解説は現在でも通用する内容を持っている。

    弦楽四重奏の演奏なので、例えば『浄夜』(弦楽六重奏)、『三重奏曲』、『ナポレオン・ボナパルドへのオード』といった作品は入ってなく、後に演奏者を追加して録音された。

    残念ながら帯がなくなっている。

    3番目の画像は同アルバムのCD。

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    • 登録日:2021/10/31

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    LP ドイツ子供の歌

    オペラ/リート歌手のルチア・ポップ(1939-1993)が楽しさ全開で歌ったアルバム。
    ドイツの子供の歌といっても、いくつかは日本でもおなじみの曲、小鳥はみんな(霞か雲か)、お馬パカパカ、ねんねんころり(アイア・ポパイア)、ハンス坊や(ちょうちょ)、ブンブンブン蜂が飛ぶなどが原曲で収録されている。
    ドイツORFEOを日本フォノグラムが輸入販売していたので、訳詞が別についている。

    Die schönsten deutschen Kinder- und Wiegenlieder

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    • 登録日:2021/10/31

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    ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調 『田園』

    LPが登場した1960年代前半、当時は高価だったので10インチ(25cm)サイズのレコードが販売され、LPに対してMPと呼ばれていたらしい。

    「ボリショイシリーズ」の一枚で旧ソ連のメロディアが録音、日本ビクターのプレスで新世界レコードから販売された。定価は1000円。

    ムラヴィンスキーが指揮した『田園』は4種類知られていて、この1949年盤は唯一のスタジオ録音である。
    1949年3月29日の収録。会場はおそらくモスクワ音楽院大ホール。ムラヴィンスキーの録音のなかでも最初期のものである。

    録音情報は記載がなく、グレゴール・タシー『ムラヴィンスキー 高貴なる指揮者』(アルフアベータ、2009)の巻末資料による。

    演奏時間は40分ちょうど、全体的にとても速い。
    CDでも復刻されている。

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    • 登録日:2021/9/24

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    シューベルト 交響曲第8番 ロ短調 『未完成』

    このレコードもMP(10インチ盤)である。

    シューベルトの『未完成』、ベーム指揮のヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
    1954年6月、ヴィーンムジークフェラインザールでのモノラル・セッション。
    英デッカ盤は戦後よりffrr(Full Frequency Range Recording)方式で録音していた。
    Londonレーベル、国内ではキングレコードが販売した。

    裏面に記載の解説は志鳥栄八郎(1926-2001)、この録音をかなり高評価(当然か)しているが、1958年刊行の『大作曲家とそのレコード』では、ブルーノ・ワルターのコロンビアとベームのヴィーン・フィルをベストに挙げていて、「オーケストラが逆だったらよかったのに」と書いていた。

    ベーム/ヴィーンフィルハーモニーの未完成は日本公演を含め複数の録音がのこされている。

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    • 登録日:2021/9/24

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