青銅器の不思議

初版 2023/03/08 22:47

改訂 2024/01/28 00:40

書店でふと見つけた一冊…
古代中国、青銅器の技巧。

出たのがまだ新しい。
見てみると、このちょうど翌日まで展示会をしているそうな。


というわけで、気になり行って参りました。
ビルに囲まれた一角にこじんまりと。周りには大使館あり、静かな場所になっています。


展示のこれらは、殷周(いんしゅう)青銅器と呼ばれるそう。
殷と周は、中国で最も古い王朝の名。だいたい3000年くらい前…古ぅ~

そして青銅器といえば、世界史的にも石器の次くらい古いもの。
なので…とにかく古い頃、、という認識でokです😁

さて、そんな青銅器の何に心動いたかと言えば…
アートさあふれる超絶文様と、ラーメン鉢の縁取りみたいな模様のオンパレード。
そこに表現される原始の息吹といいますか…太古の素朴さ。


これはセミをデザインしたまな板。
長いこと地中に潜ってて地上に現れるセミは、再生を意味し縁起がいいそう。


真ん中に左右の目・鼻と、なにやら顔のような周りに、いろんな生き物が隠れてるようです。
それらは龍だったりトラ、想像上の生き物たち。


で…
余白を見ると、ラーメン模様がビッシリ😲

余白の美…と日本人は言いますが、
この頃は、余白の恐怖!だったようです。

細い線であらわされる、これらラーメン鉢模様。雷⚡️からデザインされたようで、雷紋と呼ばれます。

ラーメン模様じゃなんですのでw
雷紋と呼びます。


フタ開きまーす。
こんな頃から取手つき👍

にしても…
これら青銅器は、金型に銅を流しこんで作られる。
なもんで、このすご技模様は金型につけられたもの。職人技に驚かされる👏

日本のその頃といえば、縄文時代…でしょーか。



一方で、少し愛らしいこんなのもありました。


フクロウ、ミミズク…
ぽってりデザインされてますが、実は縁起悪い生き物だそう。
夜行性なのが不気味に思えたのか。


後世になると、
めでたい生き物や象徴がよくデザインされますが、この頃は…魔をもって魔を追いやってもらお!という発想だったようで。

↑足かわいいんだけどw😆


しかしなんというか…
どこかマヤ文明の模様にも似てるような。

そして日本の、縄文の模様にも通じる匂いを感じる…この古代っぽさ、、、
ソコに魅了されちゃいます😊

時代でいうと、
最も古い王朝が殷(いん)…でしたが、その後ナゾの夏(か)王朝がその前にあったと。

夏→殷→周→春秋戦国経て→秦~
あのキングダムにもつながる秦ですね。

これら青銅器は、殷から春秋戦国な頃まで。
すでに秦の時代には過去のモノとなり。


こういう神獣鏡は、日本の遺跡からも発掘され話題になりますが、
本家でもハイ…ありますな。


巨大な太鼓 by 青銅器…
拡大してみると、そこにラーメン模様…じゃなかった雷紋がたくさんです。

しかし思うに…
あのラーメン鉢の縁取りとは、こんな古くからの伝統だったのかと。

さて、
これらは祭祀用(祖先崇拝)や、功績を記念して作らせた調理器具や器、酒を入れる容器だったとのこと。

中をのぞき込むと、そこには文字が…
漢字の原型というべき象形文字が、この頃すでにあり。

二段に分かれてるのは、蒸し料理用。
つまりスチームなんですねぇ~。

さすが中国。シュウマイや小籠包があったのかも?しれません😁



ところで、
カタログ眺めてると、何となく気づくことが。
それがこれらの写真です。


これは“爵”(しゃく)とか“斝”(か)と呼ばれる、酒や飲み物入れる器なのですが…
なにかの形に似てるな。
下は三点で支える独特の形。


私には剣の形に見えてしまいます。
上の持ち手は柄、下は剣の刃先。。。が突き刺さるが如く😱

とはいえ、どの解説にもそうとは出てこない。いかが思います⁇



殷や周時代にしか作られてないこれら。
時代が経つと、それらを懐かしむ流れとなっていいきます。

そう、昭和レトロブームと一緒ですね。
年季ではかないませんがw

そしてこれら青銅器には、独特の漢字が当てがわれており。
鼎、鬲、甗、簋、卣、觚、etc…

呪文じゃないス、、w
なかなか難しく~書けない読めない💦



なんでも、青銅器でこれほど技巧を凝らした品々は、世界でも古代中国だけ…といわれます。

つまりオンリーワン、お宝🎊

こういうのが例えば、訪れた先の床の間に置いてあったとしましょう。
あるいは玄関先にさりげなく…あるいは花器などに?

そんなときにコレです、、

“これは、、あの…殷の青銅器では⁈”
“お!キミ、わかるじゃないか。”

という会話になること、楽しみにしたいですねぇ~♪🤣→どんなネタよw
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fanta

切手集めはン十年以上、これまで集めた好きと興味の外国切手を載せています。・
今ではジャンル不問w派生して気になるデザイン、かわいい切手を求めて埋没中。・
トランプもコレクションとして関心あり(*^.^*)・
昭和レトロは後発組で進撃中😆

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    だいちゃん

    2023/03/09 - 編集済み

    日本人もですが、職人さんが長い年月を費やして習得した技はほれぼれしますね。特に不器用な自分は製作系の職人さんには尊敬しかないです。ミューゼオにもいっぱいいますもんね。

    ウチの玄関先、ミニカーしかないです😭

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      fanta

      2023/03/09

      私も作ることなく、
      集めるオンリーなので😆
      ですが集める人がいて広まる…という面もあるでしょうから♪

      と…いいワケさせていただいて。。😂

      お!これがだいちゃんのミニカーかね⁈
      ってなりますよ~😁👏

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    8823hayabusa

    2023/03/11 - 編集済み

    その昔、テレビでやっていたのを録画したり、レンタルビデオ(vhs)をダビングしたりしていた【失われた文明】とか好きでしたが、その中でも古代中国モノは大好物で、本も数冊持っていました(処分してしまいましたが)。

    ビデオの中でのナレーションの「ローマ軍がようやく青銅の剣を作り出した頃、既に今の中国はそれを芸術の域にまでにしていた」という台詞が凄く好きでした。

    そう、あのラーメンの丼の縁の図柄は雷なのですよね。 王朝といえども今みたいに情報伝達方法も乗り物も無い時代、殷王朝時代にそれとはまた別のナントカ(名前忘れました)の文明も誕生し、独特の像や壺やらを作っていましたね。

    しかし、訪問先にそのような壺が有って「ほう、これは殷時代の○○では?」と言ったところで、実はそれは市井商会が販売し、並居る鑑定家をも欺くほどの、日野の親父が作った贋作かも知れないしぃ(笑)

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      fanta

      2023/03/12

      で、、その殷代の壺…
      中をのぞくと、目がぁ~⁈って🤣

      いいナレーションですね。
      でもホント、これらを見るとそのアートさに驚かされます。
      もはや青銅器の文明に戻ることはないけれど、だからこそこの繊細さは古代の香りがして惹かれるのです。
      にしても人類の、その発展の差って何なんでしょう💧

      別のなんとか…
      三星堆の遺跡?だろか。。ナゾの仮面文化。古代中国ってワクワクしますな😊

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      8823hayabusa

      2023/03/12

      三星堆! ああ、それアルヨ♪
      だいぶ忘れました。

      チャンピオンに連載中の格闘漫画の中にありましたが、古来から漢民族は、本能に基づいたもの…『格闘』『料理』『房中(セックス)』『医療』を目指す事にかけては、他の民族が思いも付かない発想で到達する!みたいな台詞が。

      芸術も然り。 絵、書、彫刻、その他も。 台湾の故宮博物館で観た物の中には、三代で石を切崩し、三代で磨く…つまり家系の六代に渡って芸術作品を生み出したり。

      【世界一、気が長い民族】とも言われているのが解ります。

      発展の差はそこかなあ?

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      fanta

      2023/03/13

      人間の欲を押さえてますね😁
      欲が出きってる文明に思えます。
      →だし汁のごとく、、?😂

      でなければ…“孫子の兵法”が今も読まれてないですよね♪

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    SHOKOTTY

    2023/03/13 - 編集済み

    なんでもありの
    かわいいニッポンだから
    青銅器風の調理器具とか
    販売されてるかなぁと
    検索したけど
    まだ無さそう

    蒸し器とか
    鍋とか
    あっても良さそうよね

    ログを読んでいたら
    ラーメンにシュウマイ、、、
    青銅器でリアルクッキング体験
    あったらやってみたいなぁと
    思いました

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      fanta

      2023/03/13

      改めて。。光を当てよう青銅器!みたく😁
      SHOKOTTYさんありがとうございます。

      青銅器リアルクッキング♪面白そうですね~
      古めかしい大昔の遺物ですが、いろんな形やミラクル模様あり。
      でも飾りでなく、実用調理向けだったのにも興味津々です。

      蒸し器はこんな感じだそう。
      今と変わらないんだなぁ~😋

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      SHOKOTTY

      2023/03/13

      ユーチューバーに
      ネタ提供したかな?

      やはり流行りのデザインが
      あったんでしょうね〜

      どれが使いやすかったとか
      想像はどんどん広がります〜

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      fanta

      2023/03/14

      この形のまま、キャンプ場に運んでも
      使えそうなほどですわね~笑)

      やかんの取っ手にも似た、、
      すでに当時から洗練されてる形に見えちゃいます😄
      水差しの口が鳥の頭のようなデザインのとか。
      注ぐと、くちばしが開いて水が出る…なんて仕掛けのもあります♪

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    tomonakaazu

    2024/01/24 - 編集済み

    なんと、fantaさん。
    素晴らしい日記を先に読んでいたら、、、

    >>独特の漢字が当てがわれており。
    >>鼎、鬲、甗、簋、卣、觚、etc…

    ここにすべて、載っていたではないですかっ!!
    コピペ出来たのに〜〜〜知らないで、ものすごい時間をかけて探した漢字もあります。😭

    それにしても、こんな中華国宝級が、さくっと見れる博物館がそんな都心にあるなんて、知りませんでした。
    切手にも出てくる「戊箙卣」の、フタ上の装飾のすごいこと!紫禁城の宝物よりもっとお宝っぽいのですが、、。

    >>二段に分かれてるのは、蒸し料理用。
    >>つまりスチームなんですねぇ~。

    でもって、同じ「戊箙卣」は、スティーマーだったのですか!?
    どうも、取っ手のすぐ上の線も、フタっぽいけどな〜〜、と思っていたのです。2段だったとは!!

    う〜〜〜ん。
    素晴らしい。
    良いものを見れて、眼福です♡
    コメントにURLくださって、感謝です♡♡

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      fanta

      2024/01/25

      ハハ😆このときは必死で器の漢字…調べたんですな💧漢字一発変換表を作りたいくらいww
      tomoさん、見て下さってありがとうございます♪

      切手の“戊箙卣”は、ここでいうと…
      7と8、12枚目の写真と同じ仲間になります。数えさせてしまってすいません😅

      いずれも“卣”という器物で、
      上はフタになってます。やかんやポットみたいな感じでしょか。

      でもスチーマー機能はないかと思われます。
      スチーム用途は“甗”(ゲン→変換出た🤣)というタイプで、
      あの切手には載っていませんです。

      切手の“戊箙卣”とお仲間↓

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      fanta

      2024/01/25

      こっちがスチーマー向きの“甗”(ゲン)上下に分かれます↓

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      tomonakaazu

      2024/01/25

      あー、なるほど!
      "卣”はスティーマー機能はないのですね(すみません早とちり、、)
      なるほど、ゲン!(あれ、わたしのPC変換でてきません、、、あ、出てきた!甗!)
      たしかにスティーマーな形をしています。3本足なのは、まだ調理台の水平がきっちり出ていなかったからでしょうか、、。
      画像を添付してくださって、ありがとうございます。
      “お!キミ、わかるじゃないか。”的に、どこかで使いたいです♡

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      fanta

      2024/01/26 - 編集済み

      当時の調理台とは、、
      どんなだったんでしょ~😅
      器も四脚で支えたほうが安定しそうなものの…丸や楕円の器物なので、三脚のほうが安定したのかもしれませんね。

      殷周の青銅器を置いてそーなお宅にお邪魔しないと…🤣って⁇
      卣は、“ユウ”で出ますね変換w

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    グリーン参る

    2024/01/25 - 編集済み

    fantaさん
    泉屋博古館、これまで全く知りませんでした。同館は住友家の「古代中国青銅器」を保管するための機関だったのですね。どうりで青銅器のコレクションが素晴らしいはずですね。私は「住友」といえば大阪市立東洋陶器美術館の陶器コレクション(安宅コレクション)しか存じ上げませんでしたが、両方を併せるととんでもない美術品の数々。大財閥の力を思い知らされます。

    不思議な偶然ですが、泉屋博古館の国宝、重要文化財の数、青銅器の重要文化財(or重要美術品)の数まで全く白鶴美術館と同じ。驚きです。

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      fanta

      2024/01/25

      グリーンさん、見て下さってありがとうございます♪
      清朝末期の混乱で、これら青銅器も流出し、日本に助けられた清朝出身者のツテなどで…住友さんは入手されたようです。
      貴重な宝物は失くなることが何より悲劇ですが、確かに!財閥の力も大きいですね😊

      白鶴美術館と⁈そうでしたか、、
      泉屋京都館は今年いっぱい休業だそうですが、白鶴さんも今はちょうどお休み期間なようですねー。

      グリーン参るさん、美術巡りにとてもお詳しいので…私じゃまだまだ知らないだらけですが😅
      ほんのピンポイントでも、、ついていければ笑)と思ってます。

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      グリーン参る

      2024/01/25

      fantaさんの美しい写真で、青銅器の魅力がより一層伝わってきます。この図録も入手したいです。

      清末期の混乱の中、よくこれだけの名品が保存できたものです。日本でも国宝になってしかるべき作品が幕末明治、大戦後にたくさん海外に流出しましたね。悔しい気持ちもありますが、世の中に「残っている」ということで納得しています(笑)。

      北海道は美術過疎なので、やる気を出さないと何も見られません。fantaさんの方がいろいろお詳しいと思いますよ。

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      グリーン参る

      2024/01/27

      fantaさんのものとは違いますが、
      図録買いました❗

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      fanta

      2024/01/28

      おぉーグリーンさんさすが!👏😆
      いえ、私が買ったのもこちらですワ💁‍♀️
      たぶん同じだと思います。

      グリーンさんのご感想も聞いてみたいでっすw

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