第二次手彫証券印紙 五錢

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低額面の印紙であるが、第二次手彫証券印紙の五銭はやや手に入れ難いように感じられる。画像のものに押されている印は「出納掛印」と読めるがこの印は第一次手彫証券印紙から第五次手彫証券印紙までの印紙に押されていることがしばしばあり、大きめの企業や銀行などで用いられた印なのであろうと思われる。

追記
手彫印紙を研究しておられるunechan氏に「出納掛印」に関する非常に重要なコメントを頂いた(コメント欄参照)。unechan氏によればこの印は横浜税関で使われたものらしい。
貴重な情報をありがとうございました。

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    unechan

    2023/09/24 - 編集済み

    こんばんは。unechanです。独特の書体と雰囲気のあるこの青色の角形消印、私の蒐集品でも様々な印紙上で見かけるもので、長年の疑問であったところ、ごく最近、正体が判明したところです。

    この消印、横浜税関の出納掛で用いられていたものでほぼ間違いないと思います。

    古屋厚一氏の1979年の著作「手彫印紙の話(付・大隈文書)」(印紙 第21号、1979年6月25日発行/日本印紙類研究会)の「証26 1銭黒色」(=洋紙目打で、いまの第四次と第五次)の節のp.88からp.89にかけて、古屋氏が米国の(有名な蒐集家/切手商の)Vitale氏から個人的に輸入した1銭印紙、なんと3万枚(!)のくだりがあり、そこに、

    「(前略)ところが、最初の万束は、全部「横浜税関」の角形紫消印である。何かの際に、まとめて大量消化したものが流れ出て、アメリカに輸出された、ということである。」

    とあり、さらに、p.90に、

    「もっとも、この時の3万枚束で、2つの版の完全なリコンストラクションを作りあげ(各班とも50シートずつという大量)あちこちに分配したので、(後略)」

    とあります。

    ここでいう「2つの版」は、古屋厚一氏の1971年1月/フィラテリスト誌の「手彫印紙の研究(11)」、p.18にある「Plate YとZ」で、今でいう第五次発行1銭黒色(電胎版)のPlate IとPlate IIです。同ページには、「この両版のリコンストラクション・シートは、私が手彫印紙の原版を初めて復元したもので、思い出が深い。」とあります。

    小生、この2つの文献の記述から、手持ちのマテリアルに散見される青色(青紫色)の角印は古屋氏のいう「横浜税関」のものであると推察しておりましたが、これまで確証は得られていませんでした。

    ところが(まだmuuseoではご紹介していないのですが)今夏に、某切手商さんとご縁をいただき、手彫証券印紙を収集していることを伝えたところ、なんとなんと、古屋厚一氏が「あちこちに分配した」というPLATE "Y"とPLATE "Z"の再構築シート(黄色っぽい厚紙にヒンジ貼りで、古屋氏のサインとシート通し番号入り)を入手することができたのです!

    そして、その「PLATE "Y"」シート、通し番号7は、全てがこの青紫色の角印が押された印紙で構築されていました。古屋氏の1979年の記事のとおりです。

    これで全ての話がつながって、青紫色の「出納掛印」=横浜税関で使われていたもの、ということが確証を持って言えるようになった次第です。

    このあたりの顛末は後日小生のLabジャーナルで詳しくまとめようと思っておりますが、まずは印紙類研究家さんのこのアイテムでの疑問にお答えさせていただこうと思った次第です。

    またまたの長文コメントですみませんでした。やはり手彫印紙は面白いですね!

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      印紙類蒐集館

      2023/09/24 - 編集済み

      またまた貴重な情報をありがとうございます!なんと横浜税関の印でしたか!単に「出納掛印」というだけの印影でしたので正体を掴めませんでしたが、流石は偉大な手彫研究者の古屋厚一氏ですね。古屋氏が何処で横浜税関の消印であることを突き止めたのか気になるところではありますね。手彫印紙は面白いですが、unechan様の壮大なコレクションを見させていただくとますます引き込まれます。特に高額券の証書貼の美しさは言葉で表せないものがありますね。unechan様のコレクションのさらなる発展を願っております。

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