マイクロエース【A1555】マニ30 暖地型 2両セット

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マニ30は1978(昭和53)年から翌年に掛けて6両が製造された現金輸送車両で、荷物室・荷物扉には窓が無いのが特徴です。
車両の性質から運用は公表されることは無く、東北・北海道方面や東海道・山陽方面の郵便荷物列車、高速貨物列車に連結される姿がしばしば見られました。
2003年を以て運用が廃止され、現在は耐寒型の2012番が小樽市総合博物館に保存されています。

〜マニ30形くんにまつわる逸話〜
マニ30は中身が中身だけに秘匿されていた。しかし、車両の存在は大きく、多くのファンに知られていたものの、それを公開することはタブーであった。
エピソードとして、

・鉄道友よりブルーリボン賞のノミネートされたが、その直後の国鉄は同社監修の『客車形式図』から本形式の掲載をしなくなった。

・とある鉄道模型雑誌にて、形式の模型製作記事を図面付きで掲載したところ、日本銀行の関係者に読者がおり、編集長が日本銀行から呼び出され事情聴取を受けたことがある。
同社が毎年発行している「JR車両ハンドブック」にも、「日本銀行の所有車でありJRの車両ではない」として掲載。

・雑誌『とれいん』の編集長も国鉄関係者から本形式について掲載しないように要請され、国鉄部内でも本形式の運行について知っている職員は、ごく少数であった。

・「鉄道ジャーナル」では、1978年の7月号巻末の編集後記に「マニ30は(略)“現ナマ輸送車”」との記述がある。
ただし、同年8月号の「列車追跡」では急行荷物列車が取り上げられ、取材時の編成にマニ30 2001が組み込まれていたが、無かったことにされている(表記なし)。

・1990年代に全盛期だったパソコン通信NIFTY-Serve内に開設されていた「鉄道フォーラム」においても、マニ30の存在について触れる事は即座に会員規約違反とみなされた。

しかし、完全に存在が表向きにされなかったわけでもなく例として、1979年の『コロタン文庫51 鉄道時刻表全百科』にて郵政省所有の郵便車が存在することに関連し、簡単に「日本銀行所有の現金輸送車が存在する」という存在を匂わせるように表記してあるなどグレーゾーンであった。
鉄道模型が出たのは平成になってからで、その役目を終えたからである。

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