アマリリス

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カンボジア 1993年

学名:Hippeastrum hybrid
ヒガンバナ科ヒッペアストルム属に属する球根性多年草。アマリリス属の植物とは別種。
原種は、中南米の熱帯から亜熱帯地域、特にブラジルやペルー、ボリビアなどを中心に分布しており、19世紀以降、これらの原種間で交配が繰り返され、多数の園芸品種が作出されてきた。現在では花色、花形、大きさ、開花時期などが多彩に改良されており、世界中で鑑賞用植物として高く評価されている。
最大の特徴は、球根から伸びる太く直立した花茎の先に、直径15〜20㎝にも及ぶ大輪の花を数輪(一般に2〜4輪)咲かせることである。花は漏斗状で、6枚の花被片が左右対称に広がり、色は赤、白、ピンク、オレンジ、黄、緑がかったもの、さらには複色やストライプ模様まで多様である。花にはほのかな香りがあるものもあるが、多くは無香性である。
葉は球根の基部から帯状に伸び、長さ30〜60cm、幅は3〜5cm程度で、濃緑色で艶がある。多くの品種では花茎の出現前または同時期に葉が展開する。球根の大きさは直径7〜10㎝程度で、厚くしっかりとした鱗片が特徴である。
園芸上では、秋〜冬に植えつけ、室内の温暖な場所で育てれば春には開花することが多いが、夏に開花する品種や、開花後に葉を育てて球根を肥大させ、翌年に再度咲かせる宿根的扱いも可能である。多年草であり、球根が健全に管理されていれば数年以上にわたって開花し続ける。特に休眠期には球根を乾燥気味に保ち、適切なタイミングで再び水と温度を与えることで、開花をコントロールすることができる。
球根には弱い毒性があり、リコリンなどのアルカロイドを含むため、誤食すると中毒症状を引き起こすことがある。

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