ピンクダイヤモンド(fvp or fvpp, VS2, 0.07ct)

0

ダイヤモンドは、他の色石、ルビーやサファイア、エメラルドのような貴石と異なり、グレーディングが存在します。

例えば、ダイヤモンドを中央宝石研究所等、鑑別機関に持っていきますと、「鑑定書」を作成してもらえます。しかし、他の色石を持っていきますと、「鑑別書」を作成してもらえます。

鑑定と鑑別の違いはなにか。

SNSでは、愛好家の方に多いのですが、あるいは業者でさえも(滅多にいませんが…)、鑑定と鑑別をごっちゃにして誤用しているケースをよく見かけます。

鑑定は、「評価」です。
鑑別は、「識別」です。
意味は全く違います。

鑑定ができる宝石はダイヤモンドのみです。ダイヤモンドに関しては、GIAがダイヤモンドグレーディングシステムを整備、運用しており、国内のAGL所属団体は、このGIAグレーディングシステムに準拠して鑑定がなされます。

GIAグレーディングシステムにおいて、ダイヤモンドは4C(Colour(D〜Z)、Carat(ct)、Clarity(FL〜I3)、Cut(Excellent〜Poor)(順番適当です💧))で等級付けされます。この等級付けを目的として作成されるレポートを「鑑定書」と呼びます。

他の色石は「この石の鉱物名は◯◯で、宝石名は◯◯、重量は◯ctで、硬度は◯、比重は◯の重液に沈み〜、…」と記載されます。石種を特定する目的で作成されるこのレポートを「鑑別書」と呼びます。

GIAグレーディングシステムは、無色のダイヤモンド以外にカラーダイヤも厳格に規定しています。4Cにおいて、Colour以外は無色のダイヤモンドと同じ指標でグレーディングされますが、カラーグレーディングは、そのダイヤモンドが属する色帯はどこかを、マスターストーンと比較し決定する作業です。

カラーチャートとして、円形の、Red〜Purple〜Violet〜Blue〜Green〜Yellow〜Orange〜Redの色相環をよく見かけますが、実際には円形ではありません。

球状です。

縦がTone(球体の上ほどlighter、下ほどdarker)、横がSaturation(外側ほどstronger)。
以下のURLのカラーチャートを参照してください。英字ですが、カラーチャートの下に記載されている球体の図がわかりやすいです。
https://www.gia.edu/doc/ColDiaChartBklt.pdf

カラーダイヤのカラーグレーディングは、対象のカラーダイヤの色が、球体のどの位置に属するかを決定する作業です。

本当はカラーグレーディングのプロセスとか書きたいのですが、既に脱線しまくりですので、ここまでにしておきます。

さて、この石は、国内のカラーダイヤのグレーディングに定評のあるAGTジェムラボラトリー及び中央宝石研究所のダブルソーティングをとりました。答えが知りたい場合はGIAに出せばいいのですが、GIAにカラーダイヤのグレーディングを依頼する場合は米国に発送されるので、私には敷居が高いです。

グレードは以下の通りです。

AGT:0.074ct, Fancy Vivid Purplish Pink, VS2
CGL:0.073ct, Fancy Vivid Pink, VS2

カラーダイヤはカラーが最も重視され、クラリティグレードは見た目を損なわない限り二の次ですが、VS以上だと輝きは抜群です。

Default