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山梨県甲府市黒平町 小豆色の煙水晶
黒平町で採取された水晶には、様々なバリエーションがあります。こちらはその一つの小豆色をした水晶。人によっては「ねずみ色水晶」の一つと言う方もいるでしょうか。 長さは最大で9.8cm、各所に虹が確認できます。モヤがかってはいますが、ファントム気味なようです。ファントムの部分に亀裂が入り、その部分が反射するために白い部分が見えるようです。 浅草石フリマ2019、私が初めて山梨の一級品水晶を手にした日の購入物です。
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山梨県山梨市牧丘町柳平 乙女鉱山 白水晶
乙女鉱山は、明治時代から昭和時代まで、山梨の産業を支え続けた鉱山で、様々な水晶が採取されました。 有名なものは日本式双晶ですね。 乙女と呼ばれる理由は、一つにはその美しさが「乙女」だから。 二つ目は、当時の鉱山の事業形態にあります。当時の掘削担当は、働き盛りの男たち。では運ぶのはどうするのかと言えば、若い女性の役目。正に「乙女」が運んでいました。そのために乙女鉱山とも呼ばれています。 こちらの水晶は昭和に採取されたもので、白く濁ってはいるものの、透明な部分は流石な乙女水晶、クリアな様子が写真でも伝わります。表面には雲母が付いており、こちらもまた乙女の水晶の特徴でしょう。 長さは最大13cmで、頭に欠けがあるものの、現在は採取禁止なことを考えると、もはやこのレベルでも一級品です。 昔はこれを捨ててしまう時代もあったのが恐ろしい限りです。
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茨城県東茨城郡城里町塩子 高取鉱山 ガマ出し白水晶
再撮影 高取鉱山のガマ出しの水晶です。 高取鉱山は鉄マンガン重石の採掘で開発された場所。ズリでは水晶が拾われ、僅かながら鉄マンガン重石、錫石、菱マンガン鉱、蛍石が拾われていました。 こちらは2018年頃に掘られたもので、粘土ガマの中に同様の水晶が複数見られたそうです。ヤフオクにてその一部が放出されました。ちなみに後日、大きな単結晶以外にも細かな両錐水晶や、毛状の内包物が見られる小粒なども出回っています。 1〜4枚目:高さ7.6cm 5〜8枚目:高さ7.7cm 表面が擦りガラス状に曇り、手触りでも分かるほどサラサラとしています。また、細かな水晶のスキマには、クリーム色の銀雲母の粒が複数見られます。これが内包されると「雪入り水晶」となりますが、高取の反対側、錫高野の方がよく見られるようです。 こちらも僅かに雲母の内包が見られるものの、擦りガラスのために確認がしにくいのが残念なところ。
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茨城県東茨城郡城里町塩子 高取鉱山 マンガン鉱物に覆われた薄煙水晶(古い標本)
表面に謎のブツブツな鉱物が付着している煙水晶。 過去に博物館かどこかの標本として保存されていたらしく、ボロボロのガムテープのラベルが付いていました。また、立たせるために粘土で固められていましたが、劣化が酷いので外しました。 ヤフオク出品時は10cm超えの結晶と見たのですが、結果、意外と短い水晶と分かりました。(泣) それでも縦8センチはあります。
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山梨県甲府市黒平町金石沢 紫煙水晶
『ミネラ』70号掲載 黒平で偶然産地が見つかり、採取された紫水晶。 荒川林道の紫水晶とは違い、黒平の紫水晶として過去に書籍で紹介されていました。今となっては幻の紫水晶。 じっくり成長したためか、結晶はエレスチャル気味に見えます。また、表面に黄鉄鉱が付着しています。裏から光を当てると、煙の中に濃い紫が見え、とても美しいです。錐面の外側がメインで紫色になっています。
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山梨県甲府市黒平町 向山鉱山 各種水晶
向山鉱山は、江戸時代の1826(文政9)年に幕府直轄領の鷹生息保護地で水晶産出が分かった後、江戸時代後期〜開拓された鉱山。 明治時代初頭以降に鉱山として大量に試掘がされ、様々な坑が30坑ほど掘られました。太平洋戦争中には通信器具のパーツ(水晶発振器)として水晶を大量に産出、戦後採掘されなくなったという過去を持ちます。 私の持つ向山鉱山産水晶は、それぞれどこの坑産出かは不明。1〜4枚目は、戦時中に採取されたものが最近になって家屋から見つかったり、放出されたものと推測。5〜7枚目(鋭錐石:アナテース付き水晶と、透明水晶)は平成前期に鉱山入り口付近で拾われたものだそうですが、それ以外情報がありません。 ただ、縦坑をロープを使ってまで採取するのは現在難しい(そもそも現在採取禁止)ので、実際は少なくとも平成より前の産出のものが主でしょう。 向山鉱山の水晶で出回るものは、表面がガサついたものが多いと聞きます。透明度が高いものは戦時中に加工されてしまったから。また、大量に発見された日本式双晶と思しきトッコたちは戦後行方不明。それらから外れ見向きもされなかったような水晶が、時々ミネラルショーで出回るのでしょう。 当博物館では、向山鉱山の水晶の情報提供、標本提供をお待ちしています。 Twitter:@Matsu_Crystal
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山梨県甲府市黒平町水晶峠 バッタリ鉱山 草入り水晶
水晶峠の水晶には角閃石が内包され、いわゆる草入り水晶として世に出回っています。バッタリ鉱山は、そんな水晶峠の鉱山の一つで、多くの水晶が採取されました。 昔はたくさん拾えたようで、明治後期の黒平地区の主要産業である水晶採取を支えた鉱山の一つといえます。印材もここの水晶を使ったものが多いです。 https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/167 この2つは透明感が強い上に、内包物は黄色味が強い個体です。針状の角閃石が満ちているのがよく分かります。角閃石は緑、黄緑、黄色、クリーム色、薄オレンジ色とバリエーションが豊かです。
水晶好きな松ちゃん
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滋賀県高島市高島町伊黒大谷 煙水晶
Twitter開設初期の頃、フォロワー様より恵与いただいた煙水晶たちです。当時は国産水晶のことはあまり知らないままで、とにかく〇〇県の水晶なら欲しい!という変人をしていました。(今も変わらないか) 今考えると、これを貰えたのはラッキーでしたね。 下半分が濃い目の煙水晶で、上は透明感がある水晶です。
水晶好きな松ちゃん
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埼玉県秩父市中津川 秩父鉱山 橋掛沢 水晶クラスター
「ミネラ」89号掲載 秩父鉱山、橋掛沢で採れた水晶です。 様々な鉱物が採れることで多くの採取者が訪れた秩父鉱山です。私も一度は訪れたかったところ。 ここにあるものは全て、結晶は1cmに満たない長さです。とはいえ群晶ともなれば、なかなか立派に見えてきます。 インクルージョンにより緑色にも見える標本もあります。また、蝕像の影響による柱面のガタガタ模様も観察でき、ルーペを握ると楽しい時間を過ごせます。 いずれもヤフオクにて入手。
ヤフオク水晶好きな松ちゃん
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栃木県日光市足尾町鉛沢 紫水晶
日光市足尾町鉛沢のツイン紫水晶です。 ヤフオクにて落札。4センチほどあります。 鉛沢近辺の他の沢でも紫水晶が採れており、ごく少数ではありますが、出回っています(ノッツ沢、雨降沢など)。ただ、いずれも雨塚山と同じように、産地がかなり荒れてきているようです。 元々は、江戸時代から水晶(水精)が取れると文献にあり、明治時代にも一度採取家たちにより荒されたことがあります。平成に入り、わずかながら採れていたこの産地で新たな脈が見つかり、一時期は良質なものが採れていました。 今はもう採れず、もはや欠片ですら貴重となりました。
水晶好きな松ちゃん
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精美堂(現:メガネのセイビドー)製 水晶のかんざし
100年以上前のものと思われる、水晶のかんざし。 精美堂は、現在眼鏡屋さんとして山梨県内に数店舗構えていらっしゃるようです。水晶加工の技術をレンズ加工に転用したのでしょう。 水晶にはインクルージョンは見られません。 住所と製作者の名前「輿石勲」との2点から、1903(明治36)年から1930(昭和5)年の間に作られたものと推測。桜の彫り物が美しく、当時の加工技術の高さが伺えます。 1918(大正7年)以降、山梨県の加工業者たちはブラジル産などの水晶を輸入しているので、このかんざしの水晶は国産か、海外産かは何とも言えず。
精美堂水晶好きな松ちゃん
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水晶製のかんざし一本と、そのパーツ
共に新宿花園神社骨董市にて購入。 かんざしの方は、中に何かが内包されている。いわゆる「エンジェルラダー」というやつ。これは国産かどうかわからず。 パーツ、頭のみの方には雲母が入っており、こちらは乙女鉱山の水晶と推測。店主いわく「パーツ取りとかで使う人いるかもしれないから、これ一つだけ仕入れた」とのこと。店主、ナイスである。
かんざし1500円、パーツ850円 新宿花園神社 骨董市 2020年9月28日 1900年前後?水晶好きな松ちゃん
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神奈川県足柄上郡山北町玄倉(くろくら)水晶沢 緑泥石・金雲母入り水晶
収集初期に運良く入手できた神奈川県の水晶。 全体的に緑色なのは緑泥石由来で、一部に球体の緑泥石と金雲母が見られます。4、5枚目の水晶はどちらも確認できます。サイズは最長2.2cmです。 玄倉は元々、立派な国産燐灰石が採取できる場所として知られていましたが、水晶はその採取の際についで感覚で採取されていた様子。現在では、燐灰石、水晶共に全く採れなくなったと聞きます。また、極めて険しい道のりとのことで、出回りにくさに拍車をかけています。
ヤフオク 2019年8月水晶好きな松ちゃん
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滋賀県長浜市西浅井町山門 煙水晶
割と大きめな煙水晶で、横7cm、縦10cmあります。下には長石を噛んでおり、一部結晶が生えている部分もあります。 味のある水晶なのですが、頭が欠けています。 元は牧場だった場所で採取されたそうで、時々フリマアプリなどで同産地の水晶が販売されています。欠片程度であればまだ拾えるかも知れませんね。
水晶好きな松ちゃん
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佐賀県佐賀市富士町杉山 白石山 柱状の蝕像が見られるファントム水晶
『ミネラ』70号掲載 偶然ヤフオクで発見。 杉山という産地は、国産緑柱石(アクアマリン)で有名ですが、水晶はその影に隠れていたのか、はたまた知られてないのか情報ほぼ0。まぁ地元の方々には知られているのかな、、、 横6cm、縦8cm、裏から見ればよく分かるファントム水晶です。 表面には何か、柱状鉱物が付いていたような蝕像跡があります。まさか緑柱石!? かなり古い標本とのことで、ラベルが色づいてます。
水晶好きな松ちゃん