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KONICA HEXANON 1:1.4 f=57mm
1960年に登場したKonica FマウントのKonica Fからはじまった小西六の一眼レフが1965年に新たに登場し,新しいARマウントを採用したKonica Autorexとともに登場した高速標準レンズがHexanon 57mm F1.4です。57mm F1.4は全てのバリエーションがEEタイプでした。1973年にAUTOREFLEX T3の登場によって絞り優先およびシャッタースピード優先の両対応となるAEタイプの時代になると,T3用の大口径標準レンズとして新たに登場した50mm F1.4にその座を明け渡します。 Konicaの一眼レフ用レンズのご多聞にもれず,57mm F1.4には細部の細かな違いにより多くのバリエーションが存在しています。そのバリエーションはわずか8年の供給期間中に少なくとも16種類はあるようですが,細かく見ればもっと多くのバリエーションがあるのかもしれません。銘板にARの文字が入るのは最後期のレンズに限られるようです。最後とその直前のバージョンのみ,鏡筒全体がブラック仕上げで,それ以前のモデルは被写界深度指標のリングがクローム仕上げでした。時代が進むにつれて少しずつ簡略化されているようです。ただ,レンズ構成は5群6枚のウルトロン型で4群6枚のダブルガウス型の第2群の貼り合わせレンズを分離した構成で一貫していました。外観の変更は多くありますが,光学系には変更がなかったものと思われます。 1/2段明るいHexanon AR 57mm F1.2がフィルタ径62mm,重さが460gもあるのに対して,F1.4のこのレンズはフィルタ径はコニカ標準の55mmで重さも275gですからF1.2はF1.4の1.6倍以上も重いことがわかります。F1.2でなくては撮れない画があることも事実ですが,大きさ,重さの違いを考えるとF1.2のレンズを持ち出すのは少し躊躇してしまいます。 https://muuseo.com/MOR/items/19 この個体は中期型-IIあるいは第11版と呼び方は人によって異なりますがおそらく1968年のKonica FTAが発売された頃に登場したタイプです。ヤフオク!を通して入手しましたが,説明では薄カビはあるものの機能はスムースで純正フード付きということでした。実際に届いたものを見ると,大カビで距離環はほぼ固着していて,どんな素人が見てもわかるような完全にダメな個体でした。ヤフオク!でレンズを転売している人にはこういう人が少なくないのでいちいち目くじらを立てているようではレンズ遊びなどできない,というのが私のスタンスですので,さっさと某マエストロにオーバーホールを依頼しました。もちろん素晴らしいコンディションになって返ってきました。距離環の軽すぎない滑らかな感触はピント合わせが楽しくなります。ピントの山が一瞬なうえに,開放では光の状態によってはハロを纏うため,ピント合わせはたいへん難しいレンズです。そのため,距離環の感触は重要です。実際に撮影してみると開放での被写界深度は非常に薄く感じられ,これならF1.2のレンズはいらないんじゃないか,と思ってしまうほどです。昔のレンズらしく少し絞るとピント面はシャープになって甘さがなくなります。 開放でのピント合わせが難しいのでミラーレスカメラで撮影する場合はついつい1段ほど絞って撮ってしまいます。古い時代の一眼レフの冴えないファインダーでどうやってピント合わせをしていたのか,自分が当時のカメラにこのレンズ をつけていたとすると,ちょっと想像するだに恐ろしくなります。とはいえ,花などを柔らかく撮りたいときには気合を入れて開放でチャレンジしてそれでちゃんとピントがきていると,とてもいい感じの画になってうれしくなります。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2057MM%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #52mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ AR KonicaMOR
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Macro-HEXANON AR 55mm F3.5
HEXANONのARマウントのマクロレンズです。ARマウントのマクロレンズはベローズ用の105mm F4を別にすると普通のタイプはこれだけだったと思います。単体での最短撮影距離は25cmで撮影倍率は0.5倍です,等倍リングとセットで販売されていたようで,このリングを使うことで等倍撮影ができる,というものでした。開放F値が3.5なのは無限遠の時だけで,撮影距離が短くなるとどんどん暗くなるようで,どのくらい暗くなるかは繰り出してくる鏡筒に刻印されています。レンズ単体での最短撮影距離ではF5.2まで暗くなるようです。ミラーレスで使っているとファインダーが暗くなるわけでもないので,まったく気がつかなかったりします。 2, 3枚目の写真は距離環が無限遠の場合と最短撮影距離の場合です。撮影距離が短くなると鏡筒がどんどん繰り出してきます。繰り出した鏡筒には開放時のF値が刻印されています。鏡筒先端には3.5と書かれており,最短撮影距離まで近づくと5という刻印が見えます。 レンズ本体を単体でカメラにとりつけると絞り環は3.5から刻印されている面が上にきて3.5からの刻印が見えるようになっていますが,レンズ本体のもともと下側だった部分にはF5.2から刻印されています。等倍リングにレンズ本体を取り付けるとカメラに取り付ける上下が逆になります。そのため等倍リングを挟むとF5.2から刻印されている部分が上側にきます。4, 5枚目の写真は等倍リングを挟んだときに上にくる側を見ています。等倍まで近づくと開放F値は7まで暗くなるようです。相当暗いです。 イマドキのレンズでは無限遠のときだけ開放F値が小さくて撮影距離が短くなると暗くなる,というようなものはあまり見たことがありませんが,昔はこういうレンズは珍しくなかったように思います。有名なCarl ZeissのFlektogon 35mmも(マクロレンズではないけど),そういうタイプのものが古い世代にはありました。マクロレンズの場合は,普通は三脚を使うべきものなので,暗くなってもあまり気にする必要はないのかもしれません。一眼レフの場合は,ファインダーが暗くてピント合わせがたいへんだったのではないか,と想像します。しかし,ミラーレスで使うならファインダーは勝手に明るさを調整してくれるし,感度を上げれば手ブレもある程度は抑えられますから,ミラーレスカメラのおかげでレンズの登場時には想像もできなかった使い方ができるようになり,本来のポテンシャルが発揮されるようになったのかもしれません。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/Macro-HEXANON%20AR%2055mm%20F3.5 においています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #55mm #F3.5 #標準 #単焦点 #マクロ
MFレンズ AR KonicaMOR
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MC ROKKOR 85mm F1.7
1970年頃に最初のMC ROKKOR-PF 85mm F1.7が登場しています。金属ローレットでMC ROKKOR-PG 58mm F1.2 前期型-IIと同世代のものが最初のモデルのようです。ミノルタには微妙な1.7という開放F値のレンズがいくつかありますが,このレンズもそのひとつです。F1.8よりもちょっと明るい(ほとんど変わらないけど),というセールス的なことを考えていたのか,それとも,技術的ななんらかのこだわりがあったのでしょうか。 1978年にはMD ROKKORにバトンタッチします。MDタイプになってコーティングは少し変わったようですが,レンズ構成に大きな変更はなかったようです。しかし,MDタイプになってすぐに85mmレンズはf2の小型軽量タイプが登場したためにMD ROKKOR 85mm F1.7はかなり短命であったようです。85mm F1.7でについて言うならばMDタイプの方がMCタイプに比べてかなりレア度は高いと思われます。 レンズ構成は5群6枚のウルトロン型ですから,かの有名なC/YマウントのContax Planar T* 85mm F1.4と同じです。もちろん,レンズの構成が同じだからといって写り具合が同じになるわけもありません。でも,レンズ構成に共通点があるということでレンズ構成に特有の特徴は似ているかもしれません。だからどうだ,ということもないのですが。 重さは450gあまりで,58mm F1.2と同じくらいです。さすがに,どちらも大口径レンズだけあって贅沢なつくりであるためか,かなり重いレンズです。最近の高級レンズは見境なく大きく重くなっているので,1970年前後の高級レンズとはまったくスタンダードが異なります。しかし,それを差し引いてもこのレンズは十分に重く,ぎっちりとガラスが詰まっている,という感じがします(実際どうなのか,ということは別にして,イメージです)。最後の写真に見られるように,専用のねじ込み式のフードがあったようで,minoltaの文字がレトロ感満載です。 rokkorレンズはおしなべて不人気ですので,値段はあって無きが如しですが,58mm F1.2と並んで85mm F1.7は人気が高いため,相対的に高価です。この個体はローレットがゴム巻きになった後期型です。ROKKORレンズ特有のレンズ構成を示す2文字のアルファベットによる符号が省略されて以降の個体です。レンズの世代の違いはほとんど相場には影響がないようですが,58mm F1.2は金属ローレットの前期型を所有しているので気分をかえてゴム巻きローレットのタイプを入手しました。ヤフオク!で高くも安くもないほどほどの値段で落札しました。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR%2085mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #85mm #F1.7 #望遠 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR