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Tamron 80-210mm F4.5-5.6
TamronのModel 278Dです。20世紀の最後くらいに発売されたレンズだと思われます。まだこの頃はTamronもPentaxマウントのレンズを作っていました。重さがたったの281gという軽い望遠ズームです。望遠端が200mmではなく210mm,広角端が70mmではなく80mmで,最初からニッチ狙いかと思わず邪推してしまう微妙なスペックです。 21世紀に入ってカメラがデジタル化して,等倍で見るとレンズの解像度がとても気になり出した頃のレンズです。21世紀のはじめごろにPentaxのFAスターレンズが次々にディスコンになっていましたが,FA 85mm F1.4がついにティスコンになるという話を聞いtあわてて中野のフジヤカメラに走ってなけなしの小遣いをはたいて流通在庫を確保しました。そのときに,売り場に新品なのに2000円くらいで山積みされていたのがこのTamronの278Dでした。 85mm F1.4を買うつもりで来ているので金銭感覚が麻痺していますから2000円なら激安だよな,と思ってなぜか勢いでいっしょに購入したように記憶しています。実際,いくらなんでも2000円は安すぎるというか,もはや根がついていないのと同然でした。お店の人になぜこんなに安いのか聞いたら,デジタル時代になったのでフィルム時代の甘いレンズは売れないからだ,という説明でした。安いのでとりあえず買っとけ,とそのときは思って買ったと記憶しています。 しかし,予想通り,その後,一回も使った記憶がありません。実際,使っていないんだと思います。最近,防湿庫から発掘されました。15年以上経過しているため,ゴムのローレットは加水分解で白くなっています。実用上の不都合は何もないのですが,いかにも放置されていた感が満載の外観です。レンズ構成も単純で,プラスチックの鏡筒ということもあって驚くほど軽量です。言い換えればチープ感が全力で漂っている,ということですが,これはこれで旅行に持っていくというような目的には十分であるように思います。 #レンズ #AF #Tamron #PKAF #PK #80-210mm #F4.5-5.6 #望遠 #ズーム
AFレンズ PKAF TamronMOR
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smc PENTAX-F 1:2.8 100mm MACRO
1984年末に登場したミノルタのα7000は本格的なAFを備えた一眼レフシステムとして業界をひっくり返すほどの衝撃を持って迎えられました。他社は全て,ミノルタを追う立場となり,Pentaxも総力を結集し,ミノルタに遅れること約2年,1987年に最初のAFフィルムカメラであるSFXを世に送ります。SFXではそれ以前のMFレンズ用の自動露出に対応したKAマウントに上位互換なKAFマウントを採用します。これにあわせてPentax-Fレンズシリーズを展開しました。 1991年にはAF第二世代モデルであるZ-10が登場し,マウントもKAF2に,レンズもPentax-FAシリーズに刷新されます。そのため,Fレンズは5年ほどの短命に終わってしまいます。 smc Pentax-F 100mm F2.8 MacroはFシリーズレンズとしてPentax最初の100mm等倍マクロです。生産期間はFレンズが展開された1987年から1991年までであったために,意外にもレアです。前世代のAEに対応したsmc Pentax-A 100mm F2.8 Macroが希少性ゆえに中古市場ではかなり高価で取引されています。しかし,どういうわけかF 100mm F2.8 Macroは同様に希少であるにもかかわらず,その希少性は価格にまったく反映されていません。 これは,AFをアピールするあまり,非常に狭い幅のMF用距離環が鏡筒先端にとりつけられており,いまひとつ高級感が感じられない鏡筒のデザイン(作りは決して悪くないのに),見た目以上に重いことなどネガティブな要素が多いことが原因ではないか,と想像します。 100mm F2.8の等倍マクロはAレンズから登場し,FレンズでAF化されるとともに光学設計も変更されています。その後,FA, D-FAへと時代とともに同スペックのレンズは変遷していきますが基本設計はFレンズのままです。その意味では,PentaxとしてはFレンズにおいて100mm F2.8 Macroはひとつの完成形であったのかもしれません。 この個体をいつ,どこで入手したのかまったく記憶にありません。おそらく,中古店でとても安い値段で投げ売りされていたことに惹かれて思わず買ったのに違いありません。当然のように,このレンズで何を撮ったのか,これといった記憶もありません。防湿庫の奥から発掘されて,そういえばこのレンズを買ったよな,ということだけを思い出しました。 Muuseoに展示するためにレンズの来歴を調べてみて,意外なレンズの背景を知ることとなりました。もはや写真を撮るという目的からは大幅に外れていますが,これはこれで楽しいかな,と。 #レンズ #AF #smc_PENTAX-F #PK #PKAF #Pentax #100mm #F2.8 #望遠 #単焦点 #マクロ
AFレンズ PKAF PentaxMOR
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FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS
2013年11月にフルサイズセンサーを搭載する世界最初のミラーレス一眼カメラとしてα7とα7Rが発売されます。その際にフルサイズに対応したレンズとして発表された5本のレンズのひとつがSEL2870です。α7と同時に発表されたレンズはZeissやGの銘をもつ高級レンズでしたが,SEL2870だけは普及型レンズとしての位置付けで,キットレンズとしても歴代の無印α7 (ILCE-7, ILCE-7M2, ILCE-7M3)にバンドルされてきました。SEL2870の発売当初の価格を調べると61,950円(税込み)となっていて単体では随分と高価な値付けであったようです。現在の実勢価格は3万5千円前後なのでメーカー希望価格とかなり乖離しています。キットレンズなのでレンズだけ手放す人も多いためか,中古は1万円台で入手できます。 このレンズは,α7iiiを中古で買うときに,さすがにまったくAFレンズなしというのも悲しいなぁ,と思って安直にレンズキットの中古を調達したので,当然のごとく本体とともについてきました。広角側は24mmじゃなくて28mmだし,望遠側もかなり遠慮がちな70mmでイマドキのレンズとしては随分とあっさりしたスペックです。手元にある標準レンズのなかでは,フィルム時代のPentax FA 28-70mm F4 ALと似たようなスペックですが,大きさ,重さはPentaxのほうが一回り小ぶりです。Pentaxは普及レンズなのにF4通しで,望遠端ではSEL2870よりも明るいのです。ただ,フィルム時代に比べて最近のレンズは大きく,重く,高価になる傾向なので,SEL2870のように控えめなスペックでそこそこ写り,軽くてコンパクトであることはある意味貴重です。Pentaxx FA 28-70mm F4 ALはフィルム時代にあってもコンパクトでしたので,SEL2870が特別大きいと言うわけでもないですし,現行レンズとして十分にコンパクトだと思います。 写りは値段なりだと思いますが,高画素機で撮った画を等倍で見なければほとんど何も気がつかないと思います。細かいことを言えば隅が甘いとか,普及型ズームレンズにありがちな欠点は普通にあります。しかし,そういうことを気にするレンズではないし,軽くて小さいことは正義です。AFはイマドキの爆速AFレンズとはもちろん比較になりませんが,一世代前のaps-c専用望遠レンズのSEL55210に比べればずっと歩留まりがよく動き回る犬を狙ってもα7iiiの動物瞳AFでたまには目にピントがきます。 可もなく不可もなく,たぶん,十分なのです。とはいえ,24mmが大好きな自分には広角端が28mmというズーム域はどうしても馴染めず,また,望遠端が70mmなのにF5.6ってのも我慢できず,結局,単焦点のSEL55F18Zとお手軽ズームのSEL24105Gを買ってしまったのでした。文句つけてお買い物する理由をでっち上げてるだけってのはもちろんわかってるんですが...。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/FE%2028-70mm%20F3.5-5.6%20OSS に置いています。 #レンズ #AF #SonyE #Sony #28-70mm #F3.5-5.6 #SEL2870 #標準 #ズーム #手振れ補正
AFレンズ Sony E SonyMOR
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E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
2012年10月に発表され,当初2013年1月発売とされたものの1ヶ月遅れて2013年2月に発売されたSonyのお手軽標準パワーズームSELP1650です。実際には2012年11月に発売されたNEX-6およびNEX-5Rのキットレンズとして市場にでていました。NEX-6や5Rがとても人気でキットレンズが品不足になってしまい,単体での発売が遅れた,ということのようです。 このレンズは,現在(2021年6月)でもα6600を除くα6000シリーズのキットレンズとして本体とともに売られていますので発売からボチボチ10年になろうか,という息の長い製品です。カメラ本体はこの10年の間に様々に代替わりしてきましたが,キットレンズはずっと同じまま,というのはカメラとレンズの位置付けの違いを感じさせてくれます。もっとも,このレンズは息が長いからといってとても優れたレンズか,と言われるとまたそれは別の話のように思います。 ソニーが考えるエントリーユーザーはこういうお手軽標準ズームを使う人,ということで,それに特化した仕様になっています。軽くて動画で使うときにも便利なパワーズームではじめてレンズ交換式カメラを買おう,という人には訴求力がありそうです。私自身は,中古のα6400を調達するときにAPS-C用のコンパクトなレンズがないと不便だろうと思って,安直にダブルズームキットを探しました。上位機種も下位機種も当然考えましたが,これまた安直に真ん中のグレードを選んだ結果,SEL55210といっしょに手元にやってきました。 SELP1650は,いかにもエントリー向け,という感じのレンズです。もともと高級感とか質感を求めるものではないのですが,見事にチープ感が漂っています。また,個人的にはなんでもマニュアルが一番,と信じて道具を使ってきたためパワーズームはどうも使いにくく,なんだか違和感があります。 実際に撮ってみると,良くも悪くもキットレンズです。古い単焦点のマニュアルフォーカスのレンズにも解像感で負けていたりします。もちろん,何と比較するか,ということに依存するので,昔の高級レンズと比較して負けるのは当たり前かもしれません。荷物を軽くしたいようなときには潰しの効かないMFの単焦点を1本だけ持っていくよりはお手軽標準ズームを持っていくのが普通です。でも,写ったものを見るとちょっと萎えるかもしれません。とはいえ,普通に写っているし,比べなきゃわからないし,大伸ばしでプリントするわけでもないので文句を言うな,ということではあるのです。 文句を言うならもっと大きく,重く,高価なレンズを買え,ってことなのでしょうが,必ずしもそれに見合ったaps-c用のレンズがあるわけでもない,というのがまた悩ましいところです。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/E%20PZ%2016-50mm%20F3.5-5.6%20OSS に置いています。 #レンズ #AF #APS-C #SonyE #Sony #16-50mm #F3.5-5.6 #SELP1650 #標準 #ズーム #パワーズーム #手振れ補正
AFレンズ Sony E SonyMOR