魔法使いの丘

0

ソーサリー四部作の第1巻

東京創元社のSAGB(スーパーアドベンチャーゲーム)シリーズの先駆けでもある
SAGBシリーズは社会思想社のFF(ファイティング・ファンタジー)シリーズとともにゲームブックの定番シリーズ
海外だけでなく日本人作家も多数参加し映画、小説、コンピューターゲームからの移植、公募等バラエティーに富んでいる

本ソーサリー四部作はゲームブック・ファンで知らない人がまずいない大傑作であり、総合的に見てゲームブック界(少なくとも当時)の頂点と言っても過言ではない
各巻を単独で遊ぶことも可能なシステムになっているが、通常は全巻通して遊ばないと勿体ない内容
著者は英国人のスティーブ・ジャクソン
プレイヤーはカクハバードと呼ばれる広大な世界で、盗まれた魔法の王冠を奪還するため、たった一人で大魔王がいるマンパン砦を目指す事になる

第1巻は地図左下の故郷アナランドを出発し城砦都市カーレに入る前までの、シャムタンティの丘が舞台(写真4)
長旅のルールに慣れる場とあって、通り過ぎるだけであればそれほど難易度は高くない
巻末にある「魔法の呪文の書」の魔法全てに挿絵が付いているのが嬉しい
※第2巻以降の「魔法の呪文の書」の挿絵は省略されている

付属している別紙のアドベンチャーシート(裏は地図)は全巻共通

2003年から2005年にかけて、創土社から四部作全巻が復刊された(各巻のタイトルは第3巻を除き多少異なる)

https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/148
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/149
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/150
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/113

七匹の大蛇
ソーサリー四部作の第3巻 城砦都市カーレを出た後、地図中央部に位置するバクランドからマンパン砦の手前あたりまでの広大な範囲が舞台(写真4) 大魔王のスパイであり、個性的な特徴がある七匹の大蛇との絡みが面白い 大蛇はまともに戦うとかなりの強敵だが、得られる情報を元にそれぞれが持つ弱点を探せるかがポイントになる 戦いを含め、危険を避け通り過ぎるだけであればそれほど難しくないが、退治した大蛇の数により最終巻の難易度に大きな影響を与えるため、手抜きするとかえって厳しくなる ゲームブック上級者であれば、パーフェクトを狙いたい https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/147 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/148 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/150
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/149
火吹山の魔法使い
FF(ファイティング・ファンタジー)シリーズ第1巻 社会思想社のゲームブック定番シリーズ 東京創元社のソーサリー四部作(著者S・ジャクソン)と並んで、ゲームブックの面白さを世に知らしめた シリーズではあるが、各巻は単独で楽しめるシナリオとなっており、基本的に直接のつながりはない(主人公も別人だが、ゲームブックならではの脳内補完によりある程度の範囲で同一人物扱いにする事は可能) シリーズを通し、誤訳や表記の誤りが非常に少ない 本作はタイトルそのまま、魔法使いがいる火吹山(原題では「Firetop Mountain」)の探索が目的 意外と珍しい、ゲームブック界の二大巨頭、S・ジャクソンとI・リビングストンの共著(中期以降に見られる「監修」を除く) 版や時期によって裏表紙中央の絵(龍)と文が無かったり(写真4)、冒険記録紙ではなく切り取って自作するタイプのサイコロシート(裏はしおりと広告)が付属している場合がある(写真5) 冒険記録紙の場合、第2巻「バルサスの要塞」と同じもの(本作で不要な魔法点の欄がある)が付属している事がある また、FFシリーズで唯一、表紙のタイトルが中央に位置している ブームの「火」付け役となっただけに、難易度は低くないがアイディア満載でかなり楽しめる 写真6/7/8:挟まれていた雑誌「ウォーロック」関連広告 2005年、扶桑社から復刊された(タイトルは同じ) https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/147 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/114
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/113

Default