モンスター事典

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タイトルそのまま、モンスターを紹介解説する事典
ただし原題は「Out of the Pit」(直訳すると「穴から出てくる」)とかなりイメージが異なる

社会思想社からの出版だが、東京創元社のソーサリー四部作に登場したモンスターも網羅している(元々は「ソーサリー」はFFシリーズの一部)
一般的なイメージのモンスターだけでなく、奇怪な植物や動物の類も含まれている
しりとりでネタに使える「ンヤダク」も掲載
イラストは必ずしもオリジナルではなく、既刊のゲームブックからも流用している
モンスター名が既刊の邦訳と異なる場合があり、知っている名前で確実に探せないのが少々面倒(巻末に訳語対照索引がある)
また、地名も(カクハバード→カーカバード等)既刊の邦訳と異なる場合がある(写真5)
それ以外ではボリュームも十分で、オリジナルのゲーム創作に活用したり、普通に読み物としても楽しめる

裏表紙のモンスターはFFシリーズ第10巻「地獄の館」に登場するゾンビー(死者)

写真6:広告

https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/113
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/147
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/124

火吹山の魔法使い
FF(ファイティング・ファンタジー)シリーズ第1巻 社会思想社のゲームブック定番シリーズ 東京創元社のソーサリー四部作(著者S・ジャクソン)と並んで、ゲームブックの面白さを世に知らしめた シリーズではあるが、各巻は単独で楽しめるシナリオとなっており、基本的に直接のつながりはない(主人公も別人だが、ゲームブックならではの脳内補完によりある程度の範囲で同一人物扱いにする事は可能) シリーズを通し、誤訳や表記の誤りが非常に少ない 本作はタイトルそのまま、魔法使いがいる火吹山(原題では「Firetop Mountain」)の探索が目的 意外と珍しい、ゲームブック界の二大巨頭、S・ジャクソンとI・リビングストンの共著(中期以降に見られる「監修」を除く) 版や時期によって裏表紙中央の絵(龍)と文が無かったり(写真4)、冒険記録紙ではなく切り取って自作するタイプのサイコロシート(裏はしおりと広告)が付属している場合がある(写真5) 冒険記録紙の場合、第2巻「バルサスの要塞」と同じもの(本作で不要な魔法点の欄がある)が付属している事がある また、FFシリーズで唯一、表紙のタイトルが中央に位置している ブームの「火」付け役となっただけに、難易度は低くないがアイディア満載でかなり楽しめる 写真6/7/8:挟まれていた雑誌「ウォーロック」関連広告 2005年、扶桑社から復刊された(タイトルは同じ) https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/147 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/114
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/113
魔法使いの丘
ソーサリー四部作の第1巻 東京創元社のSAGB(スーパーアドベンチャーゲーム)シリーズの先駆けでもある SAGBシリーズは社会思想社のFF(ファイティング・ファンタジー)シリーズとともにゲームブックの定番シリーズ 海外だけでなく日本人作家も多数参加し映画、小説、コンピューターゲームからの移植、公募等バラエティーに富んでいる 本ソーサリー四部作はゲームブック・ファンで知らない人がまずいない大傑作であり、総合的に見てゲームブック界(少なくとも当時)の頂点と言っても過言ではない 各巻を単独で遊ぶことも可能なシステムになっているが、通常は全巻通して遊ばないと勿体ない内容 著者は英国人のスティーブ・ジャクソン プレイヤーはカクハバードと呼ばれる広大な世界で、盗まれた魔法の王冠を奪還するため、たった一人で大魔王がいるマンパン砦を目指す事になる 第1巻は地図左下の故郷アナランドを出発し城砦都市カーレに入る前までの、シャムタンティの丘が舞台(写真4) 長旅のルールに慣れる場とあって、通り過ぎるだけであればそれほど難易度は高くない 巻末にある「魔法の呪文の書」の魔法全てに挿絵が付いているのが嬉しい ※第2巻以降の「魔法の呪文の書」の挿絵は省略されている 付属している別紙のアドベンチャーシート(裏は地図)は全巻共通 2003年から2005年にかけて、創土社から四部作全巻が復刊された(各巻のタイトルは第3巻を除き多少異なる) https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/148 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/149 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/150 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/113
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/147
地獄の館
FF(ファイティング・ファンタジー)シリーズ第10巻 シリーズの中では異色のホラーもの 舞台はやや曖昧だが、一般的なファンタジー世界と異なり自動車が登場する事から近現代、また、館の様式や登場人物名から欧米に近い文化の地域と推測される 嵐の夜に一泊する事になった恐ろしい館から生きて脱出する事が目的となる 恐怖点という本作特有のパラメーターがあり(写真4)、限界点を超えると体力点が残っていてもショック死してしまうルールがある(即ゲームオーバー) 正解ルートが限られている上に、主人公が一般人(戦闘の素人)という設定のため、初期の戦闘力(技術点)も低い ゲームそのものが非常に難易度が高い 偶然かもしれないが、表紙タイトル、帯、冒険記録紙の文字や線が揃って血をイメージさせる赤色で印象的 邦訳版でほぼわからない謎解きについて、および長めのデストラップ等については社会思想新社「地獄の館 解体真書」に詳しい解説がある 2009年、ホビージャパンから「ハウス・オブ・ヘル」としてリメイク発売された https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/215 https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/187
https://muuseo.com/Enban_jin_A/items/124

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