東伏見宮のイギリスからのお土産 A souvenir from Prince Higashi-Fushimi attended the coronation of the King George V.

0

先の東宮妃(後の貞明皇后)のご快癒後に催された晩餐後で、秋山徳蔵氏のメニューコレクションに残っているのは、東伏見宮依仁親王が明治大帝のご名代として渡英遊ばすにあたり、送別会を開いたメニューです。記録によれば、竹の間で簡単な午餐だったようですが、オードブル、コンソメスープ、ヒラメの冷製ニース風、フィレ・ミニオン、冷製の鴨、鶏肉とトリュフのサラダ。サラダが最後に出るのが宮中らしい正式なディナーですね。

さて、この時にボンボニエールが出されたのか不明です。しかし、2ヶ月かけて船旅で東伏見宮両殿下は英国に無事到着、明治大帝からお預かりなさった大勲位菊花頸飾を新英国王ジョージ5世陛下に贈られました。戴冠式は明治44年6月22日。その際にお土産として当時イギリスで一番格式の高かった金銀器商のゴールドスミス・アンド・シルバースミスにて特注のシガレットケースを注文したようです。普通イギリスのシガレットケースなどは9金が多かったのですが、これは18金。宮家共通紋の一重十四弁裏菊を彫らせ、また内側には、明治44年6月と、たどたどしい英人の手で掘らせています。紋章の彫りが西洋風で非常に美しい作品です。

#ボンボニエール #皇室 #天皇

Default