SHOW-YA「TRADE LAST」

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SHOW-YAの4枚目のオリジナルアルバム

前作「WAYS」でハードロック色を前面に押し出し
ほとんどの楽曲もメンバー作曲のもので固めたのに対し
続くこのアルバムでは曲調も相当ポップになり
楽曲の製作も筒美京平作品が大半を占めるようになり
また以前の路線に戻ってしまったと感じられます…

発売当時は前作の路線を推すファンから
相当な拒否反応も出たと記憶しています…

でも個人的にはこのアルバムも好きですし
この路線でも悪くないと思います。

ちょっと言い方が乱暴かもしれませんが
個人的にはSHOW-YAに本格的なハードロック路線や
ヘヴィメタル路線はあまり求めていないかな…
その路線だと初期の浜田麻里さんみたいに
プロデュースからしっかりした環境で固めないと無理でしょうし
麻里さんみたいな路線にSHOW-YAが合うか???と言われると
ちょっと無理があるかなぁ…と思うし…

プリプリとまではいかなくても
適度なポップロックでいいんじゃないかと
当時も思っていました。

このアルバムも余計な情報や先入観ナシに聴くと
文句ナシに楽曲の完成度が高くて
耳を奪われるのはシングルカットされた
A-4「その後で殺したい」と
ファンの間でも名曲として名高い
A-5「サーモスタットの瞳」です。
で、やはり2曲とも筒美京平作品なのですねぇ…

しっかり聴きこんでいくと
中村美紀さん作のA-3「ヴィスコンティの肖像」や
3号さん作のB-1「ナルシスト」あたりも相当良い出来で
美紀さんの作のB-5「地下水度の月」もいいですよねぇ
これらは思わず何度も繰り返して聴いてしまいますし
さらにそれに加えて筒美京平作品の
A-1「雨のナイフ」や、B-2「夜が來るまで眠りたい」や
B-4「躁鬱なバレリーナ」もめっちゃ良いわけですね!

で、結局何度も通してよく噛んで味わってみると
確かにハードロックのアルバムではありませんが
ポップロックのアルバムだと思えば
むっちゃくちゃ完成度が高く
しっかり味が滲みだしてくるほど咀嚼すれば
もう何度でも何度でも繰り返して
聴いてしまう名盤なのです…

正直に言って私も期待していたのが「WAYS」の路線の延長線上だったので
このアルバムの第一印象は良くなかったのですが
何かの拍子で先入観を取っ払って聴くと
その良さに気づいてたまらなくなったわけですね…

何でもそうですがフラットな視点で
物事に触れなくてはダメですね(苦笑)

最後に…
「サーモスタットの瞳」の

~あの頃買ったレコード針落とし
 ノイズまじりのハートを聴かせたい
 33回転で
 今の私はひとりぼっち~

…って歌詞は
未だにレコードばかりこうやって聴いている身としては
本当に心に染みわたりますねぇ…

1987年2月4日リリース

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