BOSTON「幻想飛行」

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1976年に発売された
天才・トム・ショルツのプロジェクトともいえる
「ボストン」のデビューアルバム
シングルカットされたA-1「More Than a Feeling」と共に
アルバムもあれよあれよと言う間に
チャートを掛けのぼり最高位は3位
なんと142週チャートイン。
これまでにアメリカだけで1700万枚、
全世界では2,000万枚を売り上げているバケモノみたいなアルバムです。
確か記憶がはっきりしないのですが
あのマイケルジャクソンのスリラーに抜かれるまでは
世界で最も売り上げたアルバムだったのではないかと思います。

いろいろ発売されるまでにも伝説の多いアルバムで
デモテープの段階でほぼレコード並みの仕上がりで
それをトムショルツ一人でほぼ作り上げており
レコード会社の誰も信じなかったとか言われています。

発売から30年後の2006年
このデビューアルバム『幻想飛行』発売30周年記念として
『幻想飛行』『ドント・ルック・バック』のショルツ自身による
デジタル・リマスターの再発盤がリリースされ話題となり
現在の「CD時代」に合わせ音質は向上したが
そもそもこの「30年前の録音〜ミックスのクオリティの高さ」が
かえって浮き彫りとなったとも言われています。

で、私が持っているのは当然当時のレコードなのですが
1976年発売のアルバムは思えないくらい
見事な音の美しさです。
音質というよりはそのアレンジが素晴らしいのです。
実は私は最初に「サード・ステージ」からボストンを聴き始めたため
最初にこの「幻想飛行」を聴いたときには
さすがに少し古臭いか?とも一瞬思ったのですが
それはすぐに思い違いだと気づきます。
「サードステージ」は80年代半ばの作品のため
やはり当時流行りのリヴァーブやディレイのような
エコー効果が深めにかけられているのですが
それと比べると少しドライに聞こえるだけであって
聴きこんでくと2nd、3rdに全く引けをとらない仕上がりであることに気づきます。
いやほんとにすごいですよ
こんなに耳障りの良いギターサウンドなんてボストン以外にないですから!
(まぁ耳障りの悪い(適度に刺激的で荒っぽい)のは
ギターサウンドの良いところでもあるのですが…)

楽曲はA-1「More Than a Feeling」を筆頭に
いわゆるいかにもボストンらしいキャッチーなアメリカンロックです!
しかしこれだけ分厚いサウンドで聴き心地が良いのに
1stも2ndも3rdも楽器はギター、ベース、ドラムスだけなのですよ
キーボードやシンセサイザーの類は全くナシ!!!
これもすごいことですよねぇ
まぁそのかわりギターはこれでもかと言わんばかりに
何本も重ね録りされていますが
まかその分厚さと計算され尽くしたきめ細かさが
いかにも天才トムショルツですよねぇ

もう細かい曲紹介までに
こんなに書いてしまったので
もう曲別に書きませんが
とにかく最初から最後まで全く隙がなく
常に楽しめるアルバムです!
そりゃ全世界で売れまくるはずです
全曲好きですが
個人的にはA-3の大曲「Foreplay/Long Time」と
B-2「Smokin'」が大好きです!!!

1976年8月25日リリース

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