フォン・ブラウン EMW A9

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アグリガット(独 Aggregat)ドイツ国が開発・運用していたロケットシリーズ。1940年から開発が開始された大型ロケット。二段式ロケットであり、上段がA9、下段がA10である。ヨーロッパからアメリカ合衆国本土まで届く長距離ロケット「アメーリカ・ラケーテ」Amerikaraketeとして開発されていた。1942年には開発予算が打ち切られたが、A4b開発の名目で得た予算の一部を充てて開発が継続された。燃料と酸化剤はアルコールと液体酸素で、エンジンは共に1機ずつ。終戦までに試作機の製造にも至らなかった。最大射程は約5,000kmで、現在の中距離弾道ミサイルにあたる。A9は全長14.18m、胴体直径1.67m、総重量16,259kg、A10は全長20.0m、胴体直径4.12m、総重量69,043kg。A9には固定翼が付けられ射程の延伸を狙っていた。A10も尾部に大型の安定翼を有する。誘導には無線誘導のほか、機体に乗員を乗せ有人誘導とする構想もあった。

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