Magnetite マグネタイト(1)

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赤鉄鉱に並ぶ主要な鉄鉱石で、強い磁性を持つ。
江戸時代の科学者であり作家である平賀源内は、秩父の山中で磁鉄鉱を初めとする金属資源の開発に努めたが失敗に終わった。
しかし、その知識は後に浄瑠璃の脚本「神霊矢口渡」において、磁鉄鉱の磁力についての言い回しが使われている。
だが、秩父鉱山の磁鉄鉱はクギや針を引き寄せるほどの磁力はないため、峠を越えた大日向まで足を伸ばしたと考えられる。

磁鉄鉱は落雷などの影響で磁場の方向が揃うとじりが強くなり、方向磁石にも使える。こうした石を天然磁石と言う。
中国では諸葛孔明が「指南車」と言う方向を示す器械を用いているが、これは天然磁石を応用したものと思われる。

結晶は普通塊状だが、正八面体になることも多い。立方体の結晶は稀である。
砂鉄は岩石中にあった磁鉄鉱のけが風化によって分離され、集積された物で、顕微鏡で見ると正八面体の結晶をしている。

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